アメリア公式ブログ

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翻訳家の河野万里子さんから、素敵な訳書が届きました



「むかしむかし、大きな森に、貧しい木こりの夫婦が住んでいた。」から始まるのですが、
続く言葉が「おっと待って、これはペローの童話じゃないから大丈夫。」

で、「え?」っと思っていると、この物語の語り手に惹き込まれていきます。
とても貧しく食べるものにも事欠いている、それでも子供が欲しいと祈る
森の住民のおかみさん。とっても愛おしいこの「おかみさん」の視点と、
ユダヤ人として過酷な運命にある「にわか床屋」の視点で交互に描かれる
少し不穏な物語の行方は・・・

ユダヤ人の強制連行をめぐる物語はこれまでいくつも描かれてきましたが、
この作品はそのどれとも異なる様相、印象、そしてスピード感で描かれ、
最後にずしんと胸にくるものを味わうことができます。

装丁もサイズも素敵な「小さな本」。ぜひ書店でお手に取ってみられることを
お勧めします。

河野さん、今回も素敵な訳書をありがとうございました。

アメリア事務局
室田