濱野 :現在は出版翻訳のお仕事が多くなりつつあるとのことですが、今後も実務翻訳は並行して続けるご予定ですか?
依田 :そうですね。複数人で取り組むような大きなプロジェクトはお引き受けするのがむずかしいこともあるかもしれませんが、単発や短期の仕事については、お声がけいただけるかぎり続けたいと思います。
濱野 :出版翻訳については、何か目標や夢はありますか? こんな作品を訳したい、今後はフィクションも訳したい、とか。
依田 :普段は小説を読むことが多いので、やはりフィクション作品を翻訳することへの憧れはあります。なかでも訳したいジャンルをひとつ挙げるとすれば、スプラッター系のホラーやサイコサスペンスでしょうか。もともとそういうジャンルの本や映画が好きですし、ノンフィクション翻訳や実務翻訳とはまったくかけ離れたものを手がけてみたいという思いがあります。ただ、やはり「文字」に触れているのが幸せという気持ちが強いので、フィクションであれノンフィクションであれ、さらに実務翻訳を含めて、ずっと「翻訳」という仕事を続けていければ何よりの喜びです。
濱野 :ノンフィクション作品では、とくに訳したいジャンルなどはありますか?
第100回日本陸上競技選手権大会の
特別シートに付いていた記念品の水筒
依田 :陸上競技を観戦するのが大好きなので、スポーツ系のノンフィクションをぜひ訳したいですね。あと、サイエンス系の読み物が好きなので、数学や物理学といったジャンルの本にも挑戦してみたいです。昔は「日経サイエンス」を定期購読していたほどで、「暗黒物質」「深海生物」「素数」「虚数」などのワードを聞くとぞくぞくしてしまいます。
濱野 :サイエンス系の翻訳書は人気が高いと聞くので、そういったジャンルまでカバーできる知識をお持ちだと、かなりの強みになりそうですね。最後に、翻訳でお忙しい日々だとは思いますが、何かリラックス法はありますか? あるいは、最近ハマっていることとか。
依田 :一時期、ストリート系のダンスにハマった時期がありましたが、いまは陸上競技の観戦と……あとは座り仕事で固まった身体をほぐすために、週に一度は必ずスポーツジムに行くことぐらい。代わり映えしませんけど、本を読んでいるときがいちばん幸せです。
濱野 :小さい頃からの読書習慣、実務翻訳で培った翻訳力や知識が、いまの出版翻訳者としての確固たる礎になっているのでしょうね。今後のさらなるご活躍をお祈りしています!