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5月13日に行われたJTF翻訳環境研究会に参加してきました

今回のテーマは「金融分野日英翻訳―農林中金総合研究所の金融論文英訳、

The Nikkei Weekly英文記事を日英翻訳に生かす」です。

講師は、金融翻訳者でJTF理事でもある佐藤晶子氏と、異文化経営コンサルタントの

冨永信太郎氏です。今回も中身の濃い研究会でしたので、そのエッセンスを

ぎゅぎゅっと搾ってブログ読者の皆さまにお届けしたいと思います。

佐藤晶子氏といえば、アメリアの「定例トライアル」<日英>の審査員でも

いらっしゃいます。6月開催分は、5月下旬~6/21(月)18時まで訳文を受け付けますので

張り切ってご応募ください

第一部:農林中金総合研究所の金融論文英訳

第一部では、佐藤晶子氏が実在の金融論文の英訳をライブでご講義くださいました。

単語一つを訳すにしても、その分野の専門家が読んでも不自然ではない訳語か?

英語社会でその語が広く使われているか?等を徹底的に調査する必要があります。

佐藤氏はGoogle検索を駆使して、より精度の高い裏付け作業を行っているそうです。

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例)「個人消費」を最適な英語に訳出するには?

(1) まず辞書(英辞郎、金融辞典など)を引くと「consumption」という語が共通で使われて

いることがわかる。

(2) Google検索する。 

検索例) site:go.jp 個人消費 consumption filetype:pdf

※信憑性のある文献にピンポイントで到達するため、日本政府機関(site:go.jp)の文章に限定して検索。

(3) 検索結果から「personal consumption」が適当な訳語だと見当をつける。

(4) 次に、その語が英語社会で広く使われているかを確認するため再びGoogle検索。

検索例) site:edu “personal consumption” filetype:pdf

※今度は米教育機関(site:edu)の文章に限定して検索。

(5) 多くの用例がヒットすればOK。ここまで調べてはじめて使用する訳語を決定する。

※表記に関しては「The Chicago Manual of Style」等を参照。

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~ 佐藤氏が考える日英翻訳の基本姿勢 ~

1 サービス業としての翻訳-顧客の意図を汲む

・作者の思想を曲げない。

・常にクライアントに目を向ける。

2 翻訳者としてのリスク管理を徹底する

・自分の能力で何ワード対応できるか把握する。

 佐藤氏にとっては時間管理がリスク管理そのもの。

・自信を持ってこの訳語で間違いないと断言できる単語とできない単語をはっきりさせ、

 クライアントから質問された際に説明できるようにする。

3 価格競争の中で継続受注するには何をするべきか

・品質を高める努力がすべて。それが継続受注につながる。

第二部:The Nikkei Weekly英文記事を日英翻訳に生かす

第二部では異文化経営コンサルタントである冨永信太郎氏が、

下記の議題を中心にさまざまな興味深いお話を聞かせてくださいました。

1 翻訳を超える仕事とは何か

・ただの逐語訳ではなく、相手への思いやりを伝えること。

・自然でやわらかい表現を目指す。適切な英語表現が信頼関係を生む。

2 日本企業四半期業績国際電話会議説明録音の英訳

・最初に決済書類を精読して重要語句を英語でインプットすることで、

 スピードと品質を維持。

3 医療器具製造会社『朝日インテック』の会社案内英訳

・あいまいな日本語表現の中から書き手の思想を汲み取り、最適な英語にする。

・時には文書の構造自体を思い切って変えることも必要。

・英語では、最も伝えたい主張を最初に持ってくるようにする。

4 The Nikkei Weeklyの日英翻訳及び国際ビジネス活用法

・同紙には1週間分のニュースの中から厳選された記事が掲載されるので、

 これを精読し、使えそうな単語や表現を頭にインプットしておくと

 非常に役立つ。

また、冨永氏は、ただのIT(Information Technology)ではなく

ICT(Information and Communications Technology)をフル活用しているそうです。

例えば、Skype、Youtube、LinkedIn、Facebook、Myspace、Twitter、ブログ(英語・日本語)等。

それらのツールから発信する情報がきっかけとなり、仕事を受注することもあるとか。

ブログ読者の皆さんも積極的にICTを取り入れてみてはいかがでしょうか!?

個人的になるほど!と思ったのは、Twitterの本来の意味は「さえずり」なのに、

日本語では「つぶやき」と訳されている点。Twitterの本来の面白さは、

相互にさえずりあうように意見を交換しあうことにあるのに、日本では「つぶやき」と

訳されているためにただの独り言…で終わっている人が多い。

博識なお二方の講師から、今回も多くを学ばせていただきました!

品質を維持するため、たゆまぬ努力を積み重ねていらっしゃるお二方の姿勢は、

まさにプロフェッショナルそのものだと感じました。

アメリア事務局

並木