アメリア公式ブログ

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東京もようやく寒くなりました。これから冬本番ですね。

さて本日はアメリア会員の櫛田理絵さんが翻訳されたこちらの作品をご紹介いたします。



オーエンにとっての密かな楽しみは、公園の兵士相手に、だれにも話せない胸の内を語ること。兵士といっても生身の人間ではなく、第一次世界大戦の戦死者を悼んで庭園に設置された石の兵士だ。学校の行き帰り、石の兵士の隣に腰かけては、学校での出来事や将来の夢、悩みなどを打ち明けるオーエン。いわば石の兵士はオーエンの唯一の心の拠り所だった。そしてまた、石の兵士に、シリアで戦死した父を重ね見ていたのだ。
ところが、庭園の改修計画が持ち上がり、古い石の兵士は撤去されることになり……。
教室で発言することや友だちと積極的に関わることが苦手なオーエンが、石の兵士を守りたい一心で、勇気を出して立ち向かった――。(PHP研究所HPより)

このあらすじを読むだけで、何か心をぐっと掴まれます。

櫛田さんからコメントをいただきました。
公園の兵士像に、戦場に行った父の姿を重ね合わせ、特別な想いを寄せる少年が、兵士像を守るため苦手なことに立ち向かう姿を描いた感動作です。この兵士像、第一次世界大戦の犠牲者を追悼して作られたものなのですが、少年やその家族の苦悩からは、戦争が決して過去のものではないことにあらためて気づかされます。本文にはUD(ユニバーサル・デザイン)フォントを使用。早川世詩男さんの素敵な絵が物語をさらに盛り立ててくれています。

著者はリサ・トンプソンさん。リサ・トンプソンさんによる大切なメッセージが込められた本書。
ぜひご一読いただければと思います。

なお、櫛田さんは『ぼくとベルさん』の翻訳もお手掛けになられたので(読まれた方も多いのではないでしょうか)、詳しくはこちらをご覧ください→CLICK!

櫛田さん、お知らせいただきありがとうございました。
また素敵な作品を私たち日本の読者にご紹介いただけると嬉しいです。

アメリア事務局 河原