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今回は、事務局スタッフが参加したJTF翻訳セミナーの様子をお伝えいたします。

【日時】2014年12月18日(木)
【テーマ】あなたの翻訳は大丈夫? ~翻訳者による品質保証を考える~
【講師】齊藤 貴昭氏 翻訳コーディネーター・社内翻訳者

【概要】「質の良い翻訳」にするためには何をどうすればよいのか?
①「翻訳後チェックすればいい」という考えはダメ。ミスを★最初からしない★という考えを持つこと。
ミスがある翻訳物=不良品である。そういう不良品を作っていることに罪の意識を持つこと。なぜなら、翻訳者とは職人であるから。
②ミスの大半はヒューマンエラーである。
スペルミスや数字の転記ミスなど。どんなにいい訳文でもこういうポカミスがあると「翻訳物の品質が悪い」と判断される。
③では、どうやってミスを防ぐか
1.翻訳環境を整える
例えば、モニターを2台そろえたり、大型モニターを用意するなど、物理的に間違った操作をしにくくする環境にする。難しい単語は口に出しながらタイプする、など。
2.翻訳前の事前準備をしっかりとする
スタイルガイドの確認、あいまいな点は翻訳会社へ確認し事前にクリアにしておくこと。
3.翻訳中のミスはすぐ気付き、すぐつぶす
転記はせずに、コピペを多用する。数字はパソコンに発音させるようにして耳でもチェックする、など。
4.翻訳後は人間の知覚をフル活用し、集中する箇所を絞って検出力を上げ、ミスゼロにする。
漠然とチェックするのではなく、チェックポイントをその都度絞って、そこに意識を集中してチェックすること。 もちろんここでツールを使うのはOK。ただ、自動検出ツールの場合はその精度の検証を行うこと。また自動検出に頼りっきりになるとチェック感性が鈍る可能性があるので、使い方はよく考えて!

<河原感想>
職人、翻訳者としての心構え、ミスを出さない方法、翻訳会社と翻訳者との責任の線引き、等についてお話されていました。 繰り返しおっしゃっていたのは、「ミスをしないためには、視覚、聴覚、触覚といった人間の知覚をフル動員して対策をしましょう」ということです。会員の皆さんは意識の高い方ばかりだと思いますが、もし「翻訳後チェックすればいい」とか、あるいは「最終的にチェックはコーディネーターさんとチェッカーさんがしてくれるので、多少こちらのチェックが甘くてもまあいいか」とお考えになる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしていただければと思います。

齊藤さんご自身が開発したツール、WildLightはこちら→http://wordwildlight.wordpress.com/
数字の認識と色のパターン認識を同時に使ってチェックをするものです。
無料でご利用いただけるそうなので、ぜひお試しくださいね!


アメリア事務局 河原