アメリア会員インタビュー

翻訳力UPのためにセミナーや勉強会に参加 文系出身者がメディカル翻訳を目指すためには?

濱野 :日々お忙しいとは思いますが、翻訳力の向上のために何か普段から実践していることはありますか?

仁科 :これまではほとんど参加したことがなかったので、単発の講座やセミナー、勉強会、翻訳者同士の交流会などに月1回程度の頻度で参加しています。メディカル翻訳に関する講座はもちろん、英語力や日本語力の向上に重点を置いた講座やセミナーにも積極的に参加しています。講座を受けることが第一の目的ですが、その場や受講後の交流会などで翻訳関係の方々と情報交換したり、先輩方からアドバイスをいただいたりできるのもとても貴重な機会です。そこで得た情報やアドバイスをまだまだ活かしきれていないので、これが今後の課題ですね。

濱野 :そのような交流から仕事につながる可能性もありますよね。ほかに、実力アップのために心がけていることは何かありますか?

仁科 :そうですね……まだフリーランス翻訳者として仕事を始めたばかりで、仕事を進めるだけで精一杯なのですが……強いて言えば、関連書をなるべく読むことでしょうか。気になる分野やもっと深く知りたいと感じることが出てきたら、関連書を探して目を通すように心がけています。メディカル分野や分析機器関連のバックグラウンドがそもそもないので、機会を見つけて専門知識を増やしていかなければなりません。

濱野 :仁科さんのように、なんのバックグラウンドもなく、さらに文系出身者でもメディカル翻訳で活躍されている方が年々増えてきていると聞くのですが……

仁科 :そうだと思います。トップレベルで活躍するメディカル翻訳者にも文系出身の方が大勢いるという話はよく聞きます。

濱野 :メディカル翻訳に挑戦したいけれど、バックグラウンドがないから、あるいは文系だから諦めようと思っている人がきっとたくさんいると思います。最初の一歩を踏み出せずにいる方に、仁科さんならどのようにアドバイスされますか?

仁科 :メディカル翻訳に少しでも興味があるのなら、まずはある程度専門的なメディカル関連の本を1冊読んでみると良いと思います。抵抗感がなく、さらに興味深く読めるのであれば、メディカル翻訳に挑戦してみる価値はあると思います。メディカルに限らずどの分野でも同じだと思いますが、専門家と同程度の知識が最初からなければ翻訳者になれないというわけではありません。しっかり調べながら翻訳を進めること、そして知識を少しずつ増やしていくことが重要だと考えています。ある程度専門的な本を読むと、それを続けることできるかどうかを判断する基準の1つになると思います。
 また、以前に翻訳関連の雑誌で読んで私も実践したことですが、現状でメディカル分野や化学、生物学などにまったく関わりがない場合は、高校の化学や生物の教科書・参考書を読んでからメディカル翻訳の勉強を始めると良いと思います。

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