アメリア会員インタビュー

平日の朝に布団を干せる喜び「この人に頼めば大丈夫」という翻訳者を目指したい

濱野 :フリーランス生活1年目の仁科さんですが、会社を辞めてフリーなってよかったこと、嬉しいことは何かありますか?

仁科 :ささやかなことですが……朝ゆっくりできることでしょうか(笑)。私は目覚めが悪いほうなので、会社に勤めていた頃に比べてゆっくりと朝を過ごせるのは夢のようです。あと、これも本当にちょっとしたことなのですが、布団や洗濯物を平日に外に干せるのは嬉しいですね。会社に勤めていたときには土日の天気が悪かったり用事があったりすると、外に干せない日がずっと続きましたから。フリーランスになってから気がついた小さな贅沢ですが、とても幸せに感じます。

濱野 :なるほど、フリーランサーならではの喜びですね。逆に、フリーになって大変なことは何かありましたか?

仁科 :やはりスケジュール管理でしょうか。フリーランスになって半年ほどですが、まだバタバタと時間に追われている状態が続いている感じです。仕事の調整やスケジュール管理をもう少しうまくできるようにならなければと感じています。

濱野 :そういったスケジュール管理も、フリーランサーならではの苦労ですよね。では最後に、今後の夢や目標をお聞かせいただけますか?

仁科 :当面は、翻訳者として精進あるのみだと考えています。さまざまな分野のいろいろな種類の文書であっても、「この人に頼めば、確実に一定レベルの質の訳文が仕上がってくる」と、翻訳会社やクライアントの皆さんに信頼していただける翻訳者になりたいですね。このまま幅広い案件に対応していくか、ある程度まで範囲を絞り込んでいくかは、仕事を引き受けながら今後考えていきたいと思っています。

濱野 :フリーランスになるきっかけは書籍の下訳でしたが、出版翻訳にご興味は?

仁科 :……また挑戦したいという気持ちはあります。やはり、本として形になったときの達成感は忘れられません。医療や医薬に関わるノンフィクションやポピュラーサイエンス分野の書籍を訳すことができれば良いのですが。でも、まずはメディカル翻訳者として、安定して仕事を依頼していただくようになることが目標です。

濱野 :仁科さんの今日のお話は、医療のバックグラウンドを持たない方々にとって、とても有益なアドバイスになったと思います。メディカル系の翻訳はハードルが高いイメージがありますが、興味があるならとにかく一歩を踏み出してみる――それに尽きますね。今日は貴重なお話、ありがとうございました!

■とにかくパワフルで元気いっぱいの仁科さん! でもじつは、陰でこつこつと常に石橋を叩きつづける努力家。お話を聞きながら、ずっと身が引き締まる思いでした。メディカル翻訳者としてのさらなるご活躍をお祈りしております。仁科さんのお名前で翻訳本が出る日も、そう遠くないかもしれませんね。

関連する会員インタビュー
実務翻訳複数の分野で翻訳