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翻訳者として、次のステップへ 翻訳者ネットワーク アメリア
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坂田 :今回のゲスト、中村泰洋さんは、翻訳者としてはちょっと変わった経歴の持ち主といえるかもしれません。大学を中退後、ニュージーランドに語学留学。塾の講師や宅配便のドライバーをしながら翻訳者を目指しました。IT系のフリーランス翻訳者として約7年仕事をした後に、特許翻訳者への転身を決め、今年で4年目になるそうです。ここに至るまでの経緯、そして今後の目標についてお話を伺いたいと思います。中村さん、よろしくお願いします。 中村:どうぞ、よろしくお願いします。 坂田:中村さんは大学では経営学を学ばれたそうですね。 中村:確かに大学の専攻は経営学でしたが、在籍していただけで、学んでいません(笑)。私は勉強があまり好きじゃなかったんですね。大学に入ってはみたものの、早い時期からやっていけないな、という気がしていました。まあ、勉強が好きじゃないとしても、入学したのですから4年間適当に過ごしながら将来のことを考えるというのでもよかったのでしょうが、私は自分をだましきれず、働きながら考えた方がいいんじゃないかと思い、退学しました。とはいえ、すっぱりとやめたわけではなく、ずるずると3年まで過ごした挙げ句にやめたのですが……。 坂田:形だけでも卒業しておいたほうが就職に有利じゃないかとか、いろいろと考えますよね。それでもやめたというのは? 中村:3年生になると就職を考えなければなりませんよね。面接の様子など、いろいろと漏れ聞こえてくるのですが、そこで考えてしまいました。「大学で何をしてきましたか?」と訊かれても答えることが何もないのです。最終的にそれが決め手となって、ようやく大学をやめる決心がつきました。 坂田:大学をやめてどうしましたか? 中村:学生時代はずっと塾の講師のアルバイトをしていたので、とりあえずこれならできると思って、地元の塾に就職しました。自分は大学をやめておいて、受験システムに荷担するというところに矛盾は感じましたが、とりあえずそのとき自分にできる仕事はこれしかないなと。でも、すぐに行き詰まりました。 坂田:行き詰まったというと? 中村:主に英語を教えていたのですが、自分は英語ができるという実感がないわけです。外国に行ったこともないし。そうなると、何を支えに英語を教えればいいのか、とすぐに壁にぶつかってしまいました。少なくとも英語を教えるならまず外国を体験してみないことにはと思い、1年後に塾を辞めてニュージーランドに渡り、現地の語学学校で1年弱学びました。 坂田:1年で成果はありましたか? 中村:だいたい自分がイメージしていたとおりの、充実した生活を送ることができました。やはり大学生の頃とは違って目的意識もありましたので、勉強にも主体的に取り組むことができ、英語の方も期待した程度には伸びました。また、地元のサッカークラブでチーム唯一の外国籍選手としてプレーするというユニークな経験もできました。