アメリア会員インタビュー

中学生のころから憧れていた翻訳家の仕事 30代半ばで本格的な学習を開始

濱野 :初めての訳書『落札されたキス』(ハーレクイン)は2003年に出版されていますが、翻訳の勉強はいつごろから?

金井 :まえまえから翻訳関連の雑誌を読んだり、コンテストに応募したりはしていましたが、きちんと勉強を始めたのは30代半ばになってからのことです。最初はカルチャー・スクールの講座を受け、その後、フェロー・アカデミーの通学や通信講座で本格的に勉強を始めました。

濱野 :そのころは、普通に会社勤務をされていたのでしょうか?

金井 :ええ。税理士事務所や損害保険会社など、まったく翻訳とは関係のない仕事に就いておりました。

濱野 :勉強を始めるまえから翻訳コンテストに応募されていたということは、ずっと興味をお持ちだったということですよね。訊くまでもないかもしれませんが、普段から翻訳書を好んで読まれていたのでしょうか?

金井 :本格的に動き出すのが遅くなってしまったのですが、子供のころから翻訳書が好きで、中学生くらいからずっと出版翻訳の仕事に憧れていたんです。読書はもちろん、英語も好きだったので、翻訳家の仕事っていいなあ、と子供心に思っていました。

濱野 :そんなに若いときから、すでに翻訳家になりたいという明確な夢があったとは。そのころに憧れていた翻訳者さんは誰かいましたか?

金井 :子供向け冒険小説で有名なイギリスの作家アーサー・ランサムの本が大好きだったのですが、そのシリーズを翻訳されていた神宮輝夫さんに憧れていました。神宮さんの訳したほかの本も図書館で探して読みました。どれもおもしろくて、私もいつか本を訳すという仕事をしてみたいと思ったんです。

濱野 :なるほど。その後、かなり時間は過ぎましたが、念願かなって翻訳の勉強を開始されたわけですね。それまでも雑誌などを読んで自己流で学習されていたということですが、学校に通うと何か気持ちは変わりましたか?

金井 :カルチャー・スクールに行っていたころは、私を含めて憧れだけでなんとなく勉強している人が多かったのですが、それがフェロー・アカデミーに通い出すとがらりと雰囲気が変わりました。すでに下訳やリーディングの仕事をしている方がまわりにたくさんいて、すごく感激しましたし、刺激も受けました。あのとき、翻訳学校に行くことを決意してよかったと思います。

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