『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』
激しい雨が降ったり止んだり……。台風の影響が心配ですね。
さて、本日はアメリア会員の江口泰子さんが翻訳された本をご紹介します。
江口さんのコメントはこちらです↓
政治学者のナンシー・フレイザーが近年、行なった講演や、学術誌に掲載された論文を改訂のうえ、1冊にまとめた本の邦訳書です。フレイザーは、資本主義の本質を「資本家階級が自分たち以外のあらゆるものを喰い物にする」ことにあると捉え、そのシステムを「カニバル(共喰い)資本主義」と名づけ、己の尻尾を咥えたウロボロスの姿に喩えます。そして、マルクスによる「資本主義を規定する特徴」を基盤にしながら、フレイザー独自の考えを披露していきます。
社会や経済がこれほど発展したにもかかわらず、私たちはなぜ豊かになれず、幸せを感じられないのか。
この問いの答えを、資本主義と人種差別、ケア労働(子育てや家事など)、環境破壊、民主主義との関係や、21世紀の社会主義に求められる意味などから探っていきます。また、資本主義と新型コロナウイルス感染症との関係についても言及しています。
政治学者の白井聡氏が書いてくださった解説も、大変読み応えがあります。
資本主義という巨大なシステム、その上に成り立つ資本主義社会、民主主義の危機、フェミニズムなどに関心のある方には、ぜひ手にとっていただきたいです。
筑摩書房さんから8月7日に刊行です。ご興味をお持ちの方はぜひご一読ください!
江口さん、お知らせいただきありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
アメリア事務局 相澤