『無限とはなにか? カントール集合論からモスクワ数学派の神秘主義に至る人間ドラマ』
今日もぴりりと冷たい朝、もっともっと冷たくなったときの
冬の凛とした朝の空気がとても好きです
夜は夜で星と漆黒のコントラストが強くなりますね。
吸い込まれてしまいそうな夜空につい考えてしまう
宇宙、無限……
今日はそんな「無限」に挑んだ数学者たちの物語をご紹介します。
無限とはなにか?―カントールの集合論からモスクワ数学派の神秘主義に至る人間ドラマ
(2011/09)
ローレン グレアム、ジャン=ミシェル カンター 他
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翻訳を手がけられたのは吾妻靖子さん。
吾妻さんからはご紹介コメントもお寄せいただきましたので、
一緒にご紹介しちゃいます
20世紀初頭に「無限」の概念に挑んだフランス・ロシアの
数学者たちの波乱に満ちた人生や伝説的な数学者集団
「ルシタニア」にスポットをあてた深遠で興味深い物語です。
ロシア革命・スターリン主義といった政治に
翻弄された天才たちの悲劇はとりわけ胸に迫ります。
永遠の謎のようにも思える“無限”というもの。
ドイツの数学者、カントールの「集合論」により
新たな解釈が生まれ様々な矛盾がさらに明らかになってきた
無限について、
フランスの数学者らが合理的な解釈を試みたのに対し、
モスクワの数学派は無限や連続性、集合を神秘的で
直感に基づいた解釈で独自の発展を遂げたのだそう
最近個人的にロシアに近い地域のあれこれを調べたりもして、
この時期のロシアに生きた人々の生活にはとても興味があります。
何処にも潜む抑圧、けれどこの時代、この場所特有の空気が感じられ
思想や歴史に興味がある方にとっても興味深い物語となりそうです
知の極致に挑むヒューマンドラマとしても読み応えがありそうですね
吾妻さん、刊行おめでとうございます
これからもご活躍を楽しみにしています
アメリア事務局
中川