アメリア会員インタビュー


マイクロソフトを卒業し、新たな翻訳の道へ

岡田 :2012年でMSを卒業して、新しい世界へ歩みだしたということですが、そのきっかけは?

舟津 :ご時世もあり、契約の終了がきっかけになりました。ちょうどその頃、子どももだいぶ成長し「私はいつまでMSにいるのかな」という気持ちもありましたね。私自身、「井の中の蛙」で、MSしか知らないという不安もあり、将来を考えるようになっていた頃ではありました。

岡田 :18年間というのは確かに長い年月ですからね。

舟津 :当時、アメリアを通してスカウトメールが来ていて、3社ほど登録していました。MSの仕事があるので、お断わりしていたんですが、それでも「小さいお仕事でもいいからやりませんか」と根気よくお声をかけてくださるエージェントがあったんです。当時、Tradosなどのツールの知識がなかったのが不安だったのですが、その会社は「お気軽に使い方をお聞きください」と言ってくださり、勉強しながら少しずつ翻訳エージェントとのお付き合いも増えました。

岡田 :そこでまた新しい世界に行かれて、さらに知識欲がアップという感じですね。

舟津 :そうですね。でも18年間、ずっと一人で社内翻訳者として仕事をしていたので、ツールの使用やエージェントごとに異なる様々なルールになかなかなじむことができなくて……。そこでもっと深く最先端の環境に身を置こうと思い、一度翻訳者としての仕事を離れ、翻訳エージェントでコーディネーターの仕事をさせてもらったんです。そのおかげで、訳した翻訳がその後、どういう工程を経て、ソースクライアントに納品されるかを一通り経験することができました。以後、翻訳をするときは、後工程にかかわるレビュアー、コーディネーター、PM の方々の作業を少しでも軽減できるように、「渾身」の翻訳をするよう努めるようになりましたね。

岡田 :それはそれは、どこまでもどん欲に追求されますね! コーディネーターのお仕事はその後どうなさったんですか?

舟津 :もともと3ヶ月の契約だったんですが、最初の1週間で自分は翻訳の仕事から離れられないな、と実感しました。というのも、翻訳者さんに依頼する時に「いいなぁ、これから翻訳するんだなぁ」って思ってしまって(笑)。やっぱり翻訳の仕事が楽しいなと痛感して、去年の11月、フリーの翻訳者の道を進む決心をしました。オンサイトの要請があるときも積極的に対応させていただくようにしています。

岡田 :ふだん、お仕事をするときに意識されていることはありますか?

舟津 :メールや電話のやりとりが多くても、一度お会いするとその後のコミュニケーションが違ってきます。翻訳者として、きっちりと自分の仕事をすることも大事ですが、良好なコミュニケーションをとることで、仕事の質も向上すると考えています。いつも感謝の気持ちを忘れず、ひとつひとつのお仕事に取り組んでいます。

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