アメリア会員インタビュー

老犬となった飼い犬の今後を考えて フリー転向を決意

濱野 :本日はケージに入れてワンちゃんをお連れですが、事前にいただいた資料によると、フリーになるきっかけは、ワンちゃんの存在が大きかったということですが。

長本 :そうなんです。実はもともと病気がちな犬で、飼いはじめて1〜2年は病院通いが続きました。それに加えて、分離不安症で……

濱野 :分離不安症というのは?

長本 :留守番をさせると、問題行動を起こしたり、健康状態が悪化したりするんです。フリーになる前は、夫も私もずっと外で働いており、ひとりぼっちで過ごすのがストレスになっていたようです。ご近所さんから犬の鳴き声の苦情が来たので、掛かりつけの動物病院で薬と行動学的療法のアドバイスをもらい、改善しようとしてみたのですが、なかなかうまくいかなくて……。苦情は強い内容で弱っていたのですが、母に頼むことを思い立ち、平日の昼間は母の家に預けるようになりました。

濱野 :犬のためにも、在宅フリーランスでのお仕事が理想ということですね。

長本 :はい。もう犬も今年12歳で、人間でいえば定年退職のシニアエイジにあたりますので、新たに健康上の問題も出るようになりました。また、会社勤めのときは、一緒にいられるのは夜と週末だけ。対して、犬はいつでも一緒にいたいと思っている。その犬の気持ちを無視しているんじゃないかと感じるようになったんです。これからさらに歳を取れば、老犬介護も必要になります。それで、なるべく犬と一緒に過ごすことができればと思って、在宅の翻訳者を目指すことにしました。

濱野 :当たり前のことですが、犬を飼うというのも、大きな責任が伴うものなのですね。私も犬を飼いたいと漠然と考えていたのですが、生半可な気持ちではダメですね。

長本 :うちのは特に大変でした。健康問題については、病院通いでなかなか解決しなかったので、本やインターネットで調べ倒しました。また、若いうちは恐ろしくやんちゃで、自分の犬に合ったしつけを見つけようと躍起になっていました。健康やしつけ以外にも犬に関してのさまざまな情報に触れているうちに、蓄えた知識を形にしたいと思って「動物愛護社会化検定・専門級」という資格まで取りました。

濱野 :おぉ、すごい。ワンちゃんへの愛あればこそですね。考えてみれば、犬の病気やしつけの話題は世界共通だと思うので、そういったジャンルの翻訳のお仕事もあるかもしれません。

長本 :実は、それが翻訳者としての夢です。将来的には、犬に関する本やウェブサイトなどの翻訳を通して、日本語で情報を共有するお手伝いができたらいいな、と。

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