アメリア会員インタビュー

英訳のスキルアップのためには 和訳の仕事が必須!?

濱野 :英訳のご経験が豊富ということですが、かなりのアピールポイントになりますよね。英訳は対応できる人が少ないので、翻訳需要が高いとよく聞きますが……

長本 :どうなんでしょう? そういう話は私もよく耳にしますが、実際に求人情報を見ると、ネイティブ限定という条件で出している会社も多いですし……。ただ、英訳ができる日本語ネイティブの最大の強みは、やはり原文に対する読解力の高さでしょうね。日本人の技術者が書いた文章というのは往々にしてわかりにくいことが多くて、それを理解するだけでも一苦労ですので。

濱野 :まず日本語を読み解くところから、ということですね。

長本 :まさにそのとおりです。私としては、メーカー勤務のあいだ、ずっと技術文書に触れてきましたので、技術者の意図を汲み取るコツみたいなものは、ある程度身に着いていると思います。

濱野 :では、現在のお仕事は主に英訳の案件なのでしょうか?

長本 :会社員時代に英訳の仕事が多かったので、英訳のほうがやりやすいことは確かです。ただ、これまで1年ほどフリーランスで仕事をしているあいだに、和訳の案件も多くいただくようになり、和訳にも英訳にも面白さを感じています。それに、和訳の仕事は、英訳の仕事にもプラスになるんです。英語ネイティブの使う表現や語彙、自然な言いまわしなどは、やはり和訳の仕事で英文に触れることで学べますから。そういう意味では、和訳と英訳をバランスよく受注できるのが理想ですね。

濱野 :和訳の案件で生の英文に触れて、それを英訳に活かすというわけですね。ところで、長本さんは請け負うジャンルがとても広いですよね。IT系、工業製品、医療機器……。メーカー時代に翻訳を経験していない分野も含まれているのでしょうか?

長本 :あまりに専門的な内容になると流石に無理ですが、経験したことのない分野でも、一般的な内容であればお引き受けしています。自分の専門外の分野でも、通常の技術文書についてはわりと内容を解釈しやすいというのもありますね。先日も、自動車関連のトライアルのお話をいただいて挑戦したのですが、無事採用していただけました。

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