アメリア会員インタビュー



頼られる翻訳者になるため、もっと腕に磨きをかけたい

坂田:現在はどのような状況ですか?

島崎:合否通知をいただいたのが昨年の末ごろで、年明けに1社からお仕事の依頼がありました。ですので、今は2社からお仕事をいただいています。時々お仕事の依頼があり、まだ暇な時間もたくさんあるので、お仕事の合間を縫ってトライアルにも挑戦しています。現在、トライアルの結果待ちが2社、エントリーをしたのが4社です。このうち3社は、アメリアの「JOB」の求人情報を通して応募しました。

坂田:アメリアに入会したのはいつですか?

島崎:通信講座「マスターコース<金融>」の修了時に講師の先生からクラウン会員の推薦を受け、そのときに入会しました。3カ月ほど前です。それ以前から、翻訳学校の友人がアメリア会員で、とにかく求人情報が多いよ、と聞いていたので、迷わず入会しました。

坂田:他にはどのようなサービスを利用していますか?

島崎:実際に翻訳会社のコーディネーターをしている方が描いているマンガ『翻訳会社の舞台裏』は参考になりますね。翻訳会社の仕事の流れがよくわかりますし、翻訳会社の裏側がのぞけるので、仕事のときに翻訳者として自分がどう振る舞えばよいかの参考になります。それから、『トライアル現場主義!』は書籍を持っていたので、これが元だったのか!とびっくりしました。アメリアのコンテンツには、トライアルを受けようと思ったとき、受かった後、など自分の状況が変わっていっても、そのステージごとに見るべきものが用意されていて、そこがすごいなと思いました。学習中から入会しておけばよかったと後悔しています。

坂田:トライアルを続けて受けていると、傾向なども見えてくるのではないでしょうか? 例えば、課題の分量はどのくらいのところが多いですか?

島崎:そうですね、分量は会社によって違います。いちばん多かったのは論文でA4で3ページ分ありました。ほとんどの会社はA4で1枚程度で、何かの書類から抜粋した文章が出るというパターンでした。なかには、いろいろな分野から抜粋した短い文章がいくつか並んでいるものもありました。

坂田:最初に受けたトライアルでは、間違いを指摘する箇所が1つあったとのことですが、他のトライアルでもありましたか?

島崎:今のところ、最初に受けたところだけです。注意して見ていますが、その後のトライアルではなかったようです。

坂田:このトライアルの、ここがポイントだなと思ったところはありますか?

島崎:同じ単語が何度も出てきて、文脈にあわせて訳語を変えて訳し分けなければならない、というのがありました。最初は同じ訳語を使って訳していたのですが、そのうちに疑問が出てきて、いろいろと調べていくうちに、変えた方がいいと判断して変えました。ケースバイケースだと思いますが、そのトライアルではそこがポイントだったように思います。

坂田:続けてトライアルを受けていると、傾向がわかってきて、合格しやすくなったりするでしょうか?

島崎:いまだに傾向はつかめませんね。ただ、トライアルの課題に出すということは、その会社が「この分野の翻訳者がほしい」と思っているということでしょうから、合格したら、仕事の依頼があったときのために、その分野を勉強しておけばいいんだろうなと思います。なかには、たくさんの分野の選択肢があって、そこから翻訳者が選んでトライアルを受けるようになっている会社もあって、その会社はさまざまな分野の仕事がまんべんなくあるのだろうから、自分の得意分野を示せるようにより磨きを掛けておけばいいのだろうなと思います。

坂田:そうですね。トライアルは入口であって、それから先、実際に仕事が始まってからよい翻訳を納めることで仕事が続いていくことが大切ですよね。

島崎:そうですね。ぜひ選んでいただける翻訳者になりたいと思います。

坂田:翻訳の勉強を始め、トライアルに挑戦して合格し、ようやく仕事を始めることができた島崎さんの、今の目標は何でしょうか?

島崎:はい、訳文にもっと磨きをかけることです。トライアルに合格してお仕事をいただくようになりましたが、まだ英文事務の仕事の契約期間が残っていて、平日は5時間ほど勤めに出ていたので、平日の夕方以降と休日に翻訳の仕事をしていました。まだ仕事の量はそれほど多くなく、途切れ途切れにいただく程度なので、勤めながらでもこなせなくはないのですが、案件によっては調べものが多くなり、時間が足りないと感じることもありました。それを改善しなければという思いが強かったので、今年の2月に契約期間が切れたときに更新せずに会社を辞め、いまは翻訳専業で頑張っています。

坂田:ご自宅で仕事をするというのは初めての経験ですよね。いかがですか?

島崎:1つドアを開けると普段の生活があるので、誘惑もいっぱいですよね。自分の時間が無尽蔵にあると、うまく使いこなせないので、例えば、「夕方4時になったら買い物に行く、それまでの時間でコレをしよう」と自分で決めるようにしています。

坂田:いろいろと工夫をしているんですね。現在は兵庫県姫路市にお住まいですが、地方在住ということによりデメリットは感じませんか?

島崎:感じませんね。トライアルを受けた翻訳会社はほとんどが東京の会社ですが、やり取りはすべてメールと電話でしたので、地方在住の不便はまったく感じません。

坂田:それでは最後に、島崎さんの今後の目標を教えていただけますか?

島崎:はい。さしあたっての目標は、コンスタントに仕事をいただけるようになることですね。仕事をしているところに、次の仕事の依頼が来て、「今ちょっと忙しいので、来週なら……」なんてことを言ってみたいです(笑)。また、他の急ぎの仕事が割り込んできたときに、それを引き受けて急いで仕上げたとしても、すべての品質を保って納期を守れるような、そんな翻訳者でありたいと思います。それをクリアできたら、また次の目標を考えます。

島崎さんに気分転換を尋ねたところ、答えは「ウクレレ」でした。1年ほど前から独学で弾き始めたウクレレ。「うまくコードが弾けないとイライラしてくるので、その気分を変えるために仕事を」とパソコンに向かうのだそうです。逆転の発想で、面白いですね。挫折しても、うまくいかなくても、その理由を分析することで方向転換をはかり、次の手段へと切り替える島崎さん。その実行力は素晴らしいと思いました。ますます翻訳力に磨きをかけて、頑張ってください!

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