アメリア会員インタビュー


「翻訳をする上での短期的な根気と、将来的なビジョンでの長期的な根気を組み合わせて続けていってほしいと思います」

岡田:今後はどのような道に進まれたいと思いますか?

河野:今までどおり、どんなことにも対応できる翻訳者でありたいとは思いますが、また小説もやりたいですね。

岡田:なるほど。どんなジャンルですか? ロマンスとかミステリーとか。

河野:ロマンスはキツイなー。ハードボイルドがいい(笑)。

岡田:昔、夢として思い描いていらした翻訳家の姿と今の姿と比べて、いかがですか?

河野:姿はだいぶ近くなってきていますね。思い描いていた収入は違いますけど、形だけはね(笑)。夢といったら大げさだけど、希望はかないました。おかげさまで仕事の量は年とともに増えてはいくんですが、体力が落ちていくので、体力も増強しておかないといけないと思いますね。

岡田:お忙しい毎日のなか、なにかご趣味も?

河野:花を育てたりしています。苗を買ってきて植え替えたりね。昨年、同居していた父親が鉢植えをいくつか残して亡くなったんです。完全に枯れたような状態だった植木に、水をやったり、寒いときに中に入れたりしていると、わっと花が咲き出して……。花はきれいですよね。

岡田:ステキなご趣味、ロマンチストですね。やっぱりロマンス小説もいいのでは?

河野:いえいえ、どうかな(笑)。別にたいしたことしてないんですけどね。

岡田:最後に今翻訳学習中の皆様にメッセージをお願いできますか?

河野:翻訳は根気よく続けることが大事だと思います。長期的なビジョンで翻訳を続けるという根気と、訳す上で見直し、調べものなどをしながら根気よく訳すということですね。「よしできた、おしまい!」でなく、読み直し、調べ直しをする根気が必要だと思います。それだけで実力がだいぶ変わってきますよ。後から意地悪な一般読者の目で読んだときに、きちんと文章が成り立っているかというのを確認する。そこをある程度わかるようになれば、仕事につながっていくようになると思います。翻訳をする上での短期的な根気と、将来的なビジョンでの長期的な根気を組み合わせて続けていってほしいと思います。

岡田:なるほど「根気」ですか。たいへん勉強になりました。今後も出版翻訳の世界でのご活躍が楽しみです。体力の増強をしながら、今後もますます未知の世界のいろいろな情報を発信していってください。楽しみにしています。ありがとうございました。

■学生時代からの夢を何年もかけて叶えていった河野さん。たとえ遠回りをしても、決して夢をあきらめなかった河野さんのお姿に、芯の強さと翻訳への情熱を感じました。あきらめずに根気よく続けることが、結果的に夢をかなえる道へとつながっていくと実感。今後ますますのご活躍が楽しみです。

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