アメリア公式ブログ

翻訳者ネットワーク「アメリア」が、
最新情報やアメリア会員の方の
翻訳実績を綴ります♪

本日はリージェンシー・ロマンス&異色のゴルフ・ミステリのご紹介です

まずは村山美雪さんの大人気、ブリジャートン・シリーズの流れを汲んだこちら

レディ・ホイッスルダウンからの招待状 (ラズベリーブックス)
(2011/09/10)
ジュリア・クイン
商品詳細を見る



人気ロマンス作家4人がつづるアンソロジーの第二弾。
前作に続き、謎のゴシップ記者レディ・ホイッスルダウンの軽妙な語り口が楽しいです

舞台はイングランドの摂政時代。村山さんのあとがきにも
詳しいご説明がありますが、イングランド王ジョージ3世の
代わりに皇太子ジョージが摂政を1811年~1820年、あるいは
父の死後ジョージ4世として君臨した1830年ごろまでの物語

輪郭がしっかりと描写されている登場人物たちの立ち居振る舞いには
貴族が浪費と享楽にいそしむ一方、断続的に起きる戦争から常に
不安定な雰囲気が蔓延していた時代の光と影が反射していて、
知らない世界を覗いたような気分になれそうです

そしてもう1冊は、ほんのりロマンスも感じられるスポーツミステリ

怪しいスライス プロゴルファー リーの事件スコア 1 (プロゴルファー リーの事件スコア) (集英社文庫)
(2011/09/16)
アーロン&シャーロット・エルキンズ
商品詳細を見る



本書の翻訳を手がけられたのは寺尾まち子さん。
そして解説は女子プロゴルファーの東尾理子さん

主役は20代、新人女子プロゴルファーのリー。
身近なスターゴルフ選手が殺害されたことをきっかけに、
アマチュアゴルファーでお姉さんのような存在のペグ、そして
ゴルフは門外漢ながら魅力的な刑事グレアムと事件解決に臨みます

テレビでは華やかな世界に見えるプロゴルファーですが、
ファーストフードで済ませる食事や格安モーテルでのルームシェア、
移動費節約のための相乗りなどなど…けなげな倹約に励む描写も出てきたり、
東尾さんが「そうだ、そうだ。そのとおり」とうなずいてしまうほど
女子プロゴルフ世界の現実がぎっしりのミステリなのだそう。

ゴルフをたしなむ方はもちろん、ミステリとして、
またグレアムとリーの恋模様から爽やかなロマンスとしても
楽しめそうな1冊

村山さん、寺尾さん、ご献本いただき誠にありがとうございました。
またのご連絡も楽しみにお待ちしています

アメリア事務局
中川