日英翻訳でご活躍のフリーランス翻訳家、松井修さん Flavor
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Flavor of the Month
<第114回>  全5ページ
高校時代から英語学習に夢中。大学でフランス語を専攻するかたわら、英語の翻訳で受賞するまでに。

岡田 :松井さんは大学時代はフランス語を専攻しつつ、英語の翻訳で受賞もされたとのことでしたが、同時に二ヶ国語を勉強していたんですか?

松井 :大学に入って2年間はフランス語の学習が大変で、英語を勉強する暇はなかったです。厳しい学校で、できないとどんどん落とされて進級できないんですよ。だから必死で勉強しました。英語は後半2年間は勉強しましたね。

岡田 :そもそもなぜフランス語を? フランスが好きだったとか?

松井 :うーん、大好きということでもなかったかな。フランス語学科に入っちゃったから仕方なく(笑)。本当は英語のほうが好きでしたけど、英語は自分で学ぼうと思っていたので、大学では別の言語を学ぼうと思っていたんです。受験の時にいろいろ考えて、結局消去法でフランス語になったというのが本音。もともとは高校3年生まで理系志望だったんですけどね。

岡田 :理系志望の高校生だったのに、なぜまた突然文系に?

松井 :高校3年の夏期講習であまりの自分のできなさ加減に驚きまして(笑)。これはマズイと、これまた消去法で自分が人よりできることを考えたんです。それが英語だったので、瞬間で文系に変わりました。当然1浪しましたけど(笑)。

岡田 :英語はもともと得意だったんですね。

松井 :途中から目覚めたんです。我々の年代は中学の英語のレベルが低くて、高校でみんな挫折する年代。私も高校一年で真っ白になり挫折しました。それで悩んだ結果、無謀にも洋書を読み始めたんです。一番最初に挑戦したのはトーベ・ヤンソンのムーミンのシリーズ英語版(オリジナルはフィンランド語)。それからは推理小説もたくさん読みました。

岡田 :挫折したら挫折したきりの高校生が多いなか、洋書に手が出るというのはすごい高校1年生ですね!

松井 :無謀ですよね。「これだけ英語ができないんだから絶対できるようになってやる」という変な信念みたいなものがありました。当時学んだ「英語を英語で考える」(故松本亨先生)」という学習法には、これまでで一番大きく影響されたと思います。

岡田 :とても積極的に英語を学ばれたんですね。そして大学時代には翻訳で受賞するまでになられた。翻訳学校に通ったりしたんですか?

松井 :翻訳は独学で、学校に通ったりはしませんでした。当時、すでに同時通訳の仕事をしていた先輩に感化されて、雑誌の『News Week』に出てくる知らない単語に片っ端からラインやマーカーを引いてカード化したりもしました。さらにそれを経済用語や災害用語というように全て分類したりして。そんなこんなで夢中で学ぶうちに、英日翻訳で賞をいただきました。受賞パーティーに呼ばれて寿司食べて帰ったのを覚えています。

岡田 :そんなに若くして受賞されたなんて、主催側にとっては期待の新人だったことと思います。

松井 :そういえば、そのパーティーで翻訳学校の社長さんに、「うちに翻訳者として来ない?」って言われたんですよ。今思えば、あそこで話にのっておけば翻訳者として大成したかもしれませんね。あれを断ったためにサラリーマンを20年以上もやっていた(笑)。

岡田 :いやいや、遠回りをしてでも、社会人経験は意味があったことなんだと思います!

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