出版翻訳と実務翻訳でご活躍のフリーランス翻訳家、依田光江さん Flavor
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Flavor of the Month
<第115回>  全5ページ
超朝型の生活を20年以上実践中 ここ数年で実務翻訳から出版翻訳に比重がシフト

濱野 :日々の仕事の進め方についてお聞きしたいのですが、たとえば、朝型・夜型で言うとどちらですか?

依田 :まさに朝型です。夜9時頃には眠くなってきて、朝は4時には起きています。

濱野 :え? 4時ですか?

依田 :はい。仕事が忙しいときには2時に起きることもありますよ。

濱野 :2時! もはや朝型と呼んでいいのかどうか……(笑)。昔からこのような超朝型の生活を続けられているのですか?

依田 :20年以上前からずっと続けています。朝型の生活を始めるきっかけになったのは、子供が生まれたことでした。出産後も子育てしながら家で実務翻訳の仕事を続けていたのですが、子供が小さいうちは一日じゅう家にいるので、昼間にはあまりまとまった時間が取れません。それで、子供や夫が寝ている朝のうちに起きて、仕事を進めるようになったんです。それ以来、朝の数時間がいちばん集中できる時間帯になりました。

濱野 :すごい! 私は夜型なので、ぜひ見習いたいです。最近はノンフィクション翻訳の訳書を何冊かご担当されていますが、出版と実務のお仕事の割合はどれくらいですか?

依田 :長く実務翻訳に携わってきたのですが、ここ数年は出版の仕事の比率が多くなりました。出版翻訳の依頼が入ると、数カ月間はそちらを中心にスケジュールを組まなければいけないので、実務翻訳のほうは単発や短期の仕事を中心にお引き受けするようにしています。

濱野 :なるほど、両方の分野の仕事を引き受けながらも、実務中心から出版中心に移行しつつあるということですね。「アマゾン」で依田さんの訳書を検索して驚いたのですが、いわゆる一般的なノンフィクションの訳書を出される前に、すでにコンピューター関連の専門書を10冊以上も訳されていますよね。そういったIT系書籍のお仕事は、どのように受注されたのでしょうか?

依田 :会社を辞めてフリーランスの翻訳者になったあと、マニュアルなどの実務翻訳を主に引き受けていたのですが、漠然と「自分の名前で本を訳してみたい」という気持ちがずっと心のなかにありました。その気持ちをなんとなく周囲の人たちに伝えていたら、1997年にIT系の書籍を翻訳しないかというお話を知り合いからいただきました。

濱野 :それが、『Peter CoadによるJavaオブジェクト設計』(プレンティスホール出版)ですね。名前を聞くだけで、プログラミング言語系の専門性の高い本であることがわかります。それをきっかけに、同じようなジャンルの書籍の依頼が舞い込んでくるように?

依田 :そうですね。JavaやUML、オブジェクト関連の本を1年に1〜2冊くらいの頻度で訳すようになりました。

濱野 :なるほど、実務翻訳を専門で受注されていた頃から、ある意味では「出版翻訳」にも関わっていらっしゃったんですね。

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