在宅フリーランスの医療翻訳者、安部智子さん Flavor
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Flavor of the Month
<第122回>  全4ページ
フリーランスの日々

加賀山 :完全なフリーランスになられて、いかがですか?

安部 :フリーランスは子育てと両立できるのでいいですね。突発的な用事が入ったときにも、パートなら職場でなんとかしなければいけませんが、フリーなら仕事を夜にまわしたりという調整ができますし。
 ただ、締め切りが気になるほうなので、早め早めに仕事をして、ほかの緊急事態に対応できるようにしています。いままで納期に遅れたことはありません。

加賀山 :すばらしい。とくに医療関係が締め切りに厳しいというわけでもありませんよね?

安部 : 納期は短いかもしれません。いまはだいたい2000〜3000ワードで2〜3日が多いです。5000ワードぐらいの仕事もありますし、何万ワードになると1週間以上とか。まずまちがえないことが肝心なので、私は時間がかかるほうです。
 いまはつねに広い分野にかかわりながら勉強もできる環境なので、気に入っています。仕事の依頼があると、翻訳会社から用語集と過去の案件をもらえる場合もあるので、ほかのかたの訳からも学ばせてもらっています。
 The New England Journal of Medicineといったサイトもあって、英語の論文に日本語の対訳がついていますので、勉強に使っています。

加賀山 :これから医療分野に進みたいかたにアドバイスがあれば、お願いします。

安部 :私は文系ですが、いろいろな分野に挑戦して、評価もしていただきました。興味がある分野にがんばって取り組めば、芽が出るのではないかと思います。好きでないと熱中できませんから、好きな分野を見つけることが大事ですね。
 一方で、分野を最初から限定せず、いろいろチャレンジすることも必要です。私も医療関係は無理と思っていましたが、いまこうして仕事をしています。自分の適性はわかっているようで、わからないものです。みなさんも医療分野を含め、好きな分野を見つけて、がんばってください。

■驚くほど多方面に知識の幅を広げてこられた安部さん。適性はわからないものだということばにも重みがあります。いまは医療関連のお仕事で充実した日々を送っておられますが、ノンフィクションやフィクションの出版翻訳にもぜひ挑戦されますように。

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