【アメリア】Flavor of the Month 1・和知良枝さん
読み物
Flavor of the Month
<第1回>   全3ページ


第1回

モンゴメリの世界に魅せられて

和知良枝さん
Yoshie Wachi

モンゴメリ研究は私のライフワーク。調べることが楽しくて、楽しくて……

坂田:今回は、すてきなホームページがオープンしたという噂を聞きつけて、その管理人の和知良枝さんに来ていただきました。こんにちは、和知さん。どんなホームページか教えていただけますか?

和知:はい。ホームページは『赤毛のアンの庭』という名前です。私は昔から作家モンゴメリのファンで、『赤毛のアン』は日本語訳で何度も何度も繰り返し読んでいたんです。実は『赤毛のアン』のなかには、ものすごくたくさん植物が出てくるんですよ。物語の半分ぐらいが話し言葉で、残りのそのまた半分ぐらいが植物に関する記述といってもいいくらい。そこで、私のホームページでは、その植物について調べたことを紹介しています。具体的には、『赤毛のアン』の作品のなかで植物を描写している部分を抜粋して日本語訳を付けた“物語の庭”と、出てくる植物をイラスト付きで紹介した“立て札”の二本立てになっています。

坂田:植物について調べようと思ったきっかけは何だったんですか?

和知:随分、昔の話になるんですが、1981年にある出版社が主催する『赤毛のアンの故郷を訪ねる』というツアーに参加して、あこがれのプリンス・エドワード島に行ったんです。その後、その旅で知り合った仲間とモンゴメリファンクラブを結成したりして。そんなとき、私と同じようにモンゴメリのファンで、カナダに移住するという方と友達になり、トロントに引っ越した彼女と文通をしていたんです。

坂田:同じ趣味をもつ者同士ですね。

和知:あるとき彼女が、「プリンス・エドワード島に行くので、できればサンザシの花を探してみたい」という手紙をくれたんです。日本語訳の『赤毛のアン』を読んでいると、サンザシという花がよく出てくるんです。小さな子供がお母さんのためにサンザシを摘んでくるとか、サンザシで花輪を作って頭に飾るとか、サンザシの花束を作るとか。でも、その描写とサンザシの花って、どうもイメージが合わないんですよね。彼女もそれが気になっていたらしく、実際に行って見てこようと思ったらしいんです。すると、日本で言うサンザシとは全然別のもので、本当はツツジ科の可愛らしい花だったんです。原書ではMayflowerとなっていて、辞書をひくと確かにサンザシという訳も出ているのですが、日本ではイワナシと呼ばれている植物のことだったんです。それがキッカケで、植物についてふたりで調べるようになりました。

坂田:じゃあ、このホームページのルーツは、今から20年も前に遡るわけですね! 植物について調べるというのは、具体的にどのようなことをしたのですか?

和知:サンザシの例があったので、英和辞書を使うのはやめようということになりました。まず、英語版の植物図鑑で学名を調べます。そうそう、植物図鑑は絶対に北米大陸のものでないとダメですよ。ヨーロッパでは生育する植物が違ったり、呼び方が違ったりしますから。学名がわかると、今度は日本の植物図鑑で、日本ではどの植物に当たるかを調べます。日本にそっくり同じものがない場合もありますが、学名から調べると、同属で近いものを探し当てることができるんです。
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