【アメリア】Flavor of the Month 1・和知良枝さん
読み物
Flavor of the Month
<第1回>   全3ページ


坂田:翻訳の勉強は、英語力アップにつながりましたか?

和知:はい。ふつう、日本人は読み書きが得意で、話すのが苦手だと言われますよね。でも、私の場合はその逆で、文法がしっかりわかっていなくても意志の疎通ができる話し言葉のほうが楽で、文法は中学生に教える程度のことはわかるのですが、それ以上というとなかなか難しくて。だから長文読解が苦手だったんです。でも、翻訳では文章を文法的にきちんと理解した上で、それを日本語に置き換えて表現しなければならないでしょう。それは、私にとって、ものすごく大変だったんだけれども、ものすごくためになったみたいです。

坂田:そうそう。それは、私も同感です。中学、高校でひととおり文法を勉強した下地があって、なおかつ日本語に訳すために文法を勉強し直すと、目からウロコが落ちるみたいにわかる時ってあるんですよね。

和知:長文読解に慣れてくると、次は、文章を書く面白さにはまりました。人のふんどしで相撲をとるというか、原作者が書いたものを、自分のなかに取り込んで日本語で表現する。これって、やってみるとすごく面白いんですよね! 特に原作が自分の好きな作品だと、引き込まれます。私の場合、ミステリーだとはまっちゃって。

坂田:じゃあ、今は翻訳が楽しくてしょうがないって感じですか?

和知:ところが、そうは簡単にいかないんですよ。最初は英語の難しさに苦労し、次に文章を書くのが面白くなり、今は翻訳の難しさを痛感しているところです。私、今までは自分は文章を書くのがうまいと思っていたんです。例えば、トライアルに挑戦するとき、提出した時点では自分はもうパーフェクトのつもりなんです。でも、先生の解説を読んで、訳例を読むと、やっぱりこっちの方がいいなあと納得して、私は力不足なんだなあと気付いて……。人の文章を読んで、自分の文章と比べて、こんな言い方もできるんだなあって。

坂田:おっしゃる通りです。苦しみと、楽しさが、波のように押し寄せますよね。でも、だから翻訳はやめられない! という気もします。

和知:今は、ホームページ作りが忙しくて、翻訳の勉強はちょっとお休みしているようなところがあるんです。でも、ホームページ作りにも翻訳の勉強は大いに役に立っているし、これからもきっと役に立ってくれると思っています。細く長く、ずっと続けていきたいですね。

坂田:そうですか。最後に、和知さんの今後の予定を教えてください。

和知:ホームページをどんどん更新していきたいです。今、シリーズ2冊目の『アンの青春』に取り組んでいる最中なんですが、赤毛のアンシリーズの全10冊を終えたら、今度はモンゴメリのほかの作品に出てくる植物も同じように調べていこうと思っています。

坂田:まだまだ先は長いですね。その“やる気”はどこから湧いてくるんですか?

和知:結局、発見するのが面白いからじゃないかな。読んで、調べて、書いてということ自体が好きみたいです。

坂田:今日はどうも、ありがとうございました。

みずから目指すゴールに向かってチャレンジしていく姿勢がとても魅力的な和知さん。大好きなモンゴメリというテーマがある限り、そのチャレンジ精神はきっと尽きることがないでしょう。

     和知さんのホームページはこちら >>
前へ トップへ 次へ