ブロードウェイ・ミュージカル、洋楽の翻訳を経験した小橋川尚弘さん Flavor
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<第121回>  全4ページ
フリーランスで働きながら、学習を継続

加賀山 :独立されるきっかけのようなものはありましたか?

小橋川 :翻訳はオンサイトの仕事というイメージがありました。ほとんどのかたがオフィスに出勤し、そこで翻訳作業をするというイメージだったのですが、フリーランスのかたも多いのがわかり、在宅でさまざまな分野の仕事をしながら、英語力を伸ばしていけるのが魅力かなと思いました。

加賀山 :生活の不安とかありませんでした?

小橋川 :なかったわけではありませんが、自分の時間をコントロールできるという魅力のほうが大きかったですね。まわりを気にすることなく、自分のペースで仕事ができる、在宅で気を遣わずに作業に没頭できるという魅力ですね。その代わり、しっかり計画を立てなければなりませんが。私の場合、夕方から夜中にかけて仕事のスパートをかけることが多いので、このスタイルは合ってるのかなと思います。

加賀山 :現在、どのような仕事をなさっていますか?

小橋川 :いまのところ、おもにアメリアをつうじて関係ができた会社から仕事をいただいています。エネルギー関連施設の操作機器マニュアルの和訳、ビデオ電話・ソフトウェアの紹介ウェブサイトとその製品利用の際に表示されるメッセージなどの和訳、スマートフォン用スポーツトレーニングアプリのPR文の和訳、ペンタイプ湿度計マニュアルの和訳、大学の研究課題の英訳など、幅広い分野での翻訳のお仕事をいただいています。さまざまな分野でのご依頼をいただき、非常に光栄に思っています。

加賀山 :そういう専門分野はどうやって学ばれたのですか?

小橋川 :独学です。依頼を受けてから個別に調べました。専門書やネット検索を活用しています。なじみのない機器や部品などについては画像や動画も検索して、イメージをつかみ、全体の流れのなかで的確な日本語表現を心がけます。

加賀山 :そうしたお仕事をしながら、学習も続けておられますね。

小橋川 : はい。通学も継続していますし、朝夕の新聞記事や社説、日英両方のニュース番組などから日本語の語彙や英語表現を拾って、エクセルのファイルで「語彙リスト(日本語表現集と英語表現集の両方)」を作っています。新聞は日本経済新聞、NHKニュースは英語放送で視聴し、そこで出てきた日本語・英語表現をエクセルのファイルに保存します。

加賀山 :それは便利そうですね。

小橋川 :結構効果的に感じます。何を漢字で書き、何をひらがなにするかといったことから、句読点の打ち方まで、毎日意識的に日本語を学ぶ時間を作っています。とりあえずリストに入れた表現はまず音読します。英語はもちろんですが、日本語の音読もします。繰り返し出てきた表現は、リストの文字に色を付けるなどして目立つようにしています。リストは外出先からも見ることができるので便利です。

加賀山 : 昨年からフリーランスになられて、日課はどのような感じになっていますか?

小橋川 : 月曜と土曜の午前中は学校で勉強、その他は仕事と学校の宿題にあてて、学校と仕事が重なったら仕事を優先します。
 毎日7時半ぐらいに起きて、朝刊を読みながら「語彙リスト」を作ります。コーヒーも欠かせません。1日で一番好きな時間かも知れませんね。新聞記事のなかで、特に社説は全神経を集中させて、表現に目を配りながら、ゆっくり読むようにしています。これを続けていると、ぱっと表現が出てくることがあってうれしいですね。
 9時か10時ぐらいに仕事に取りかかり、昼食休憩をはさんで夕方ぐらいまでやります。その後は夕刊でも語彙リストを作ります。
 19時からはNHKニュースを英語で視聴して、語彙リストを更新。休憩をはさんで21時ぐらいから、また仕事や学校の宿題に取りかかります。ボリュームによっては深夜までかかることがあります。

加賀山 : 息抜きなどは?

小橋川 : 趣味の音楽やスポーツ観戦を楽しんでいます。スポーツでは、特にボクシング観戦が好きなので、ときどき後楽園にも出かけます。最近は魅力的な日本人の世界チャンピオンがたくさん出てきて面白いです。このまえは新人王戦に行きました。
 コンサートにも月に1回は足を運びます。邦楽・洋楽問わず興味のあるアーティストはできるだけ生で聴いてみたいので。迫力が違いますからね。好きなアーティストの音源や動向は、ニュースサイトなどで毎日チェックしています。

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