【アメリア】Flavor of the Month 12 大西俊之さん
読み物
Flavor of the Month
<第12回>   全3ページ


翻訳をしていて、うれしい瞬間は専門用語の意味を一晩かけて調べ上げたとき

坂田:転職をして翻訳者になられたわけですが、以前の仕事とくらべていかがですか?

大西:サラリーマン時代は、平日は夜10時、11時まで仕事をするのが当たり前でしたし、上下の人間関係にかなりストレスを感じていましたが、翻訳の場合はそうしたストレスはないですね。仕事は翻訳とレビューだけに特化していて、その他の作業はすべて社員の方が担当します。ですから自分の作業に専念でき、人間関係のストレスはほとんどありません。

坂田:では、今はストレスは全くありませんか?

大西:ストレスを感じるとすると、納期が迫っていて時間不足で納得のいくまで調べられなかったとか、そういったところですね。ストレスの質が以前とは随分変わりました。

坂田:何かストレス発散法はありますか?

大西:特にありませんが、学生時代からアウトドア派で、キャンプやスキーによく行っていました。最近は海が好きでボディボードをやっています。今はそうでもないですが、2、3年前は夏になると毎週のように海に行って、真っ黒に日焼けしていたんですよ。それで、会社の仲間から付けられたあだ名が“地底人”! 少なくとも日本人には見えなかったようです(笑)。

坂田:すごくインパクトのあるニックネームですね(笑)。でも、翻訳は運動不足にもなりますから、身体を動かす趣味はいいですよね。日頃はモニターばかり眺めているでしょうから、海に行って遠くの景色を眺めるのは目にも良いのではないでしょうか(笑)。

大西:アウトドアとは正反対なんですが、最近は“トンボ玉作り”にも凝っているんです。トンボ玉って知っていますか?

坂田:いいえ、知りません。どんなものですか?

大西:理科の実験で使っていたようなバーナーでガラスを熱して丸めていくんです。すると真中に穴の開いた丸いガラス玉ができるんですが、それがトンボ玉です。ちょっとした模様を付けたり、自分で工夫して作るのが面白いんですよね。トンボ玉は以前から知っていたのですが、インターネットで作り方を紹介しているホームページを見つけて、2ヶ月ほど前から自分でも作るようになりました。

坂田:多趣味ですね。それに体を動かすことから手先を使った創作活動まで、なんとも幅広い!

大西:結構、凝り性なのかも知れません。

坂田:翻訳も、ある程度のめり込まないと、調べものがうまくいきませんよね。その点では、凝り性というのは仕事にも生かせるのではないですか?

大西:翻訳で一番うれしいのは、いくら調べてもわからない単語を一晩かけて調べ上げてやっとわかったときですね。専門家の方から見れば簡単なことかも知れないんですが、我々はオールラウンダーなので、すぐにはわからない単語もあるんです。それを調べ上げて単語の意味がやっとわかったとき、その前後の文章も含めて、すべての内容が一瞬にして明確になるということがあるんです。それは何よりもうれしい瞬間ですね。

坂田:そうですか。コンピュータの場合、新しい言葉も次々と出てくるでしょうし大変なんですね。では最後に、今後の目標についてお聞かせ下さい。

大西:仕事は自分なりにきっちりとこなしていますが、まだまだ達成感はありません。もっといいものを作りたいと思っています。他の人の翻訳したものを読む機会も多いのですが、「この人のこの表現はいいな」と思うことが多々あります。万人が認めるすばらしい翻訳というのは難しいのかも知れませんが、8割ぐらいの人が納得する翻訳、一目見て意味を間違えずに理解してもらえる文章が書けるようになるまで自分のレベルをもっと高めていきたいです。

坂田:翻訳を勉強して、仕事が得られるまでになったわけですから、それだけでも素晴らしいことなのですが、それがゴールではないということですね。

大西:そこで満足をしたらおしまいじゃないでしょうか。自分がOKと思った瞬間に向上心がなくなってしまう。そうすると実力は徐々に落ちていってしまうと思います。維持をするのにも努力が必要だし、さらにレベルアップするためにはさらに努力が必要でしょう。

坂田:具体的にはどのような努力が必要なのでしょうか?

大西:コンピュータ翻訳の場合、新しい情報をどんどん仕入れていくということも大切ですし、新しいツールも次々に出てきますから、それを習得していくことも重要です。英語力はもちろんですが、それだけでは不充分なんです。

坂田:新しいツールというのは? ローカリゼーションの場合、TRADOSが一般的ですが、そうしたツールにも新しいものが出てくるということですか?

大西:流れとしてはウェブ上で誰もが共通して使用できるツールですね。社内、社外を問わずに、訳語の統一などができるようになる。その方向に向かうと私は思っています。まだ、これだというのは出てきていないのですが、出てきたらすぐに習得して、対応できるようにしたいです。そのためにも、いつもアンテナを伸ばして情報を仕入れるようにしています。

坂田:常にレベルアップを目指して、これからも頑張って下さい! 今日はどうもありがとうございました。



 アウトドア派らしく、快活に話をしてくださった大西さん。会社を辞め、目標とした翻訳の仕事に就くまでには、緻密な分析と地道な努力があったようです。大西さんのように理想的な仕事を得るために、さっそくアメリアの仕事情報をチェック! 自分に合う仕事を分析してみてください。
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