【アメリア】Flavor of the Month 18 高崎 麻世さん
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Flavor of the Month
<第18回>  全4ページ


仕事経験のまったくない私 初仕事はアメリアのトライアルから


坂田:翻訳を仕事としてやっていきたいと思い始めたのは、いつ頃からですか?

高崎:やれるかどうかは別にして、1年目から漠然と、仕事としてやっていきたいと考えていました。私は、社会人として勤めずに、すぐに結婚したので、キャリアは全くありません。そもそも、結婚したときは永久就職したと思っていましたから(笑)。結婚というのはゴールで、その先があるなんて思っても見ませんでした。でも、40歳を過ぎた頃には子どもはみんな手が放れてしまう。人生80年と考えると、その後の人生をどう生きればいいんだろうと、だんだんそんなことを考えるようになって……。キャリアがないから40歳を過ぎてから就職するのは無理だろう。じゃあ、30代の10年をかけて勉強して、何かを見つけよう。そんなふうに考えたんです。

坂田:実際に、仕事にはどのように繋がっていったのですか?

高崎:3年間の映像翻訳のクラスを終了してからも、アメリアの定例トライアルなどには積極的に応募していました。文芸と映像のノミネ会員になっていたので、ノミネ会員対象のトライアルがあると事務局から連絡があって、いくつか受けたりしていました。2年ぐらい前だったと思います。“ビジネス関連の雑誌で翻訳者を募集”というのがあってトライアルを受けたんです。でも合格の連絡は入らず、「あぁ、まただめだったんだな」と思っていました。そしたら、何ヶ月か経った頃、その会社から直接連絡をいただいて、「チェッカーでよければ仕事をしませんか」って。すぐに「お願いします」と答えました。

坂田:翻訳の勉強を始めて8年目ですね。トライアルはどんどん受けてみるべきなんですね。どこに、どんなチャンスがあるかわからない!

高崎:本当に! でも、「登録してもすぐに仕事があるわけじゃないよ」といろいろな人から聞いていたので、すごく期待をしていたわけではないんです。ところが、小さな仕事ではあったんですけど、すぐにお仕事をいただけて。

坂田:小さな仕事というと?

高崎:実務翻訳の場合、翻訳料やチェック料はワード数で決まるんですが、最初のうちはチェック料にして500円くらいの仕事でした。それを真面目にこなしているうちに、だんだんもっと大きな仕事をいただけるようになって、最近は翻訳の仕事もいただけるようになりました。あまりに安い仕事だったから、かわいそうだと思って仕事を増やしてくれたんじゃないでしょうか(笑)。

坂田:それはやはり高崎さんが500円の仕事でも断らずに、きちんとこなしているのを見て、この人なら安心だということで仕事が増えていったんだと思いますよ。フリーの方に仕事をお願いするのは会社としてもリスクがあるはずです。仕事の質もそうですが、締切を守ってもらえるかという心配もあります。だから最初は小さな仕事から、仕事を通して信頼関係が出来上がっていって、翻訳の仕事もお願いするようになったんだと思います。

高崎:そうですね。トライアルを受けたとはいうものの、最初は私がどんな人物か、まったくわからないわけですからね。

坂田:500円の小さな仕事でも手を抜かずにやるという姿勢が大切なのでしょうね。ところで、ビジネス翻訳というのは、高崎さんが真っ先に切り捨てた分野でしたよね。

高崎:そうなんです。勉強する段階で、候補にも入っていなかったのがビジネスだったのに、思い掛けず、実際の仕事はそこからスタートしました。定例トライアルでも実務は見ただけで難しそうだと思って、一度も受けたことがなかったんですよ。

坂田:本当に、どこにチャンスがころがっているのかわからないですね。目の前にチャンスがあったら、何でもやってみるべきですね。

高崎:本当にそうだと思います。

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