【アメリア】Flavor of the Month 38 友清 仁さん
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Flavor of the Month
<第38回>  全5ページ


TOEICも翻訳も一気にレベルアップ!? 一石三鳥のオリジナル勉強法

坂田:翻訳者になるために、どのような準備をしましたか?

友清:実家に帰ってからの仕事は、公共施設の管理人という超ヒマな仕事でしたので、勉強する時間はたっぷりありました。まず、TOEICを軸に英語のブラッシュアップをしました。退職時のスコアは、440点でしたが、半年で755点になり、1年で835点になりました。それから、フェロー・アカデミーの通信講座も受講しました。

坂田:TOEICのスコアは1年間でほぼ2倍。すごいですね! どんな勉強をなさったのですか?

友清:徹底的に問題演習をしました。問題集は、いわゆる“カリスマTOEIC講師”といわれている石井辰哉氏や安河内哲也氏のものを使いました。問題集はレベル別にたくさん発売されています。私は、問題の正答率はさておき、誤答した問題の解説を読んで、「なぜその答になるのか」を理解していく、という方法で勉強していましたので、解説を読んで理解できるかどうかを選定の基準にしました。さらに細かな勉強方法については、石井辰哉氏の著書『TOEICテスト実践勉強法』を参考にしました。1冊の問題集を徹底してやるというのが一番いいのかもしれません。

坂田:TOEICの点数は、その後、翻訳の仕事を獲得する上で役に立ちましたか?

友清:特に、点数が評価されて仕事を受注できたと実感したことはありません。しかし、TOEICのために行った勉強は、翻訳にも非常に役に立ったと思います。

坂田:英語の勉強ではなく、「翻訳の勉強」のほうは、どのように進めましたか?

友清:2004年1月よりフェロー・アカデミーの通信講座「実務翻訳〈ベータ〉」の受講を始めました。教材が届いてみると、1回分のテキストがけっこう薄かったので「本当に実力がつくのか?」と半信半疑でしたが、とりあえず信じてやっていこうと思いました。また、受講と同時にアメリアに入会すると、入会金が無料になるとのことだったので、あわせて入会しました。

坂田:翻訳を本格的に学ぶのは、この通信講座が初めてでしたよね。実際に受講してみて、いかがでしたか?

友清:過去に資格試験の通信講座などを受講していましたが、完走することができないことがありました。〈ベータ〉の教材は、一回分は薄いテキストですが、内容は非常に濃く、1回やっただけでは、内容をすべて消化できませんでした。なので、何回も繰り返して行なうことになり、そうしているうちに、いつの間にか最後までたどり着いていました。

坂田
:この時期、時間がたっぷりあったとのことですが、他にも何かしましたか?

友清
:はい、通信講座と並行してTOEICのおさらいをしていたのですが、あるとき、TOEICの問題集にある穴埋め問題と間違い探しの文章は、〈ベータ〉の例題と同じ長さであることに気づきました。そこで、〈ベータ〉のテキストを見ながら、この文章の翻訳をしようと思ったんです。

坂田:TOEICの勉強と翻訳の勉強は、同じ英語の学習とはいえ、ちょっと違うように思いますが、どうしてTOEICの問題集を翻訳しようと思ったのですか?

友清:理由は4つです。

1、TOEICの文章は、(正答を選べば)文法的に間違いがない。
2、日常使われている文章である。
3、文法が解説されているので、文法という視点から訳すことができる(誤訳防止)。
4、訳例が「直訳」であるため、自分の訳と比較して、直訳調にならないように訓練できる。

坂田
:面白い発想ですね。TOEICの問題文は、英文解釈の点では正解が示されていて、一方、日本語表現的には、一概には言えませんが、直訳つまり翻訳としては悪い例が出ている、というわけですね。TOEICの勉強をしながら、同時に翻訳の勉強もできるなんて、非常に効率的ですよね。

友清:TOEICの問題集は何冊もあったので、全部で1200文ぐらい訳したでしょうか。この膨大な演習量が、翻訳力アップにつながったと思います。また、これらの英文と訳文を表計算ソフト「Excel」を使ってデータベース化しました。TOEICの演習が終わったあとは、翻訳の参考書などを使って、同じように対訳をデータベースに加えていきました。現在も少しずつではありますが、演習とデータベース化を行なっています。

坂田:TOEICの勉強と翻訳の勉強の一石二鳥と思いきや、データベース化もして一石三鳥ですね! どのようにデータベース化しているのですか? 詳しく教えてください。

友清:私の訳文データベースは複雑なものではなく、単に原文と訳文を並べてあるだけです。ある程度、訳文がたまると、そのExcelファイルを、データベースソフトにコンバートします。こうすると、特定の単語やフレーズで原文と訳文を検索できるので、過去に訳した手法を参考にすることができます。例えば、私はいつも前置詞の訳出で悩むのですが、「in」で検索すると、「in」を含んだ文がズラッとでてくるので、翻訳をする際にそれを参考にします。

坂田:おすすめのデータベースソフトはありますか?

友清
:私は、Lotusの「アプローチ」を使っています。これは使い勝手がよく、量販店で2,980円と手頃な価格で売られているのも魅力です。もっと高機能のデータベースソフトもありますが、値段が高いし、機能が多すぎると初心者にはかえって使いづらい面もあります。よく、「どの電子辞書を買うべきか?」という質問をインターネット上の掲示板などで見かけますが、私は「どのデータベースソフトを使い、どのように効率的なデータベースを作るか?」が大切だと感じています。
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