【アメリア】Flavor of the Month 39 中尾裕子さん
読み物
Flavor of the Month
<第39回>  全6ページ


夢はいっぱい!今はあらゆることにチャレンジして前進あるのみ!

坂田:海外在住者の場合、日本語を使う機会が少ないので、そのブラッシュアップに苦労するという話を聞きます。中尾さんはいかがですか?

中尾:とにかく、日本語に触れること。いい日本語を読むこと、ですね。元々読書は大好きなのですが、やはり日本語の本を購入するとなると、時間もお金も掛かります。今まではパリにある日本の本屋に注文していましたが、1カ月近く待つうえ、手数料を含めると料金は日本の3倍くらいになってしまいます。特に、新刊のハードブックは高い! そこで解決策として選んだのが、インターネット経由で本を購読できる「電子ブック」です。「物」としての本にも大きな愛着があるし、パソコンの前でマウスをクリックして読む、という行為にも魅せられなかったので、最初はちょっと抵抗があったのですが、携帯電子ブックの“リブリエ”を見つけて購入を決めました。これなら、移動中や、布団で寝ながらでも本を読める! と。まだまだ電子化されている本の数は少ないですが、一応話題本は網羅しているし、今後もっと伸びていく業界だろうと思います。

坂田:使い心地(読み心地?)はいかがですか?

中尾:いいですよ。新開発の目にやさしい紙質に似たスクリーンで、液晶画面とは違い、画面が紙のように白いんです。コンテンツの購入は、私が利用しているのは月額1050円で月5冊をダウンロードできるというもの。新書も網羅しているし、ラインナップはまずまず。ただ、クラッシックな本を読みたい方にはちょっと物足りないかも。新しいモノに敏感な人にアピールする本、売り上げが望める本を集めている気がします。その点、ブックハンターをする方にも、どんな本が今の旬なのかを知る1つの手がかりにもなるかもしれません。本体には、スピーカー内臓リーディング機能、しおり機能、文章のスクラップ作成機能、書籍内の単語の辞書引き機能などが付いていて、使いこなせばこなすほど魅力は倍増します。「新しい読書スタイル」という売り文句そのものです。でもだからといって、電子ブックだけに浮気はしません! やっぱり、紙の本も好きですから。

坂田:はい。紙の本、電子ブック、どちらかに限定するのではなく、両方を使い分ける時代が来る、そうなると翻訳家の仕事も倍増!? という時代を期待しています! 最後に中尾さんの今後の目標をお聞かせください。

中尾:そうですね。夢は山ほどあって困ります(笑)。具体的には、友人が絵本に興味を持っているので、彼女と協力しながら出版翻訳に仕事を絞って行きたい気持ちが大きいです。ただ、今はフランスの移民法にも関心があって、法学の勉強をしたいなと思い始めてもいるんです。ボランティアで難民手続きのお手伝いをしたり、移民を扱う数々のセミナーに参加するチャンスにも恵まれ、たくさんの法学者や人権を専門にした弁護士に出会いました。その方々の活躍を見て、「素晴らしい仕事だな」と思い続けています。それから、サッカーの取材データを日本の新聞社に送る通信員のお仕事を経験して、ジャーナリストも悪くないな、と(笑)。取材の仕事は、移動が多くて大変ですが、とにかくたくさんの出会いがある。翻訳というと、地味で孤独な作業というイメージが強いですよね。いや、実際そうです(笑)。だからこそ、人との出会いのチャンスは自分にとってもものすごく大切なんです。翻訳や通訳という仕事を通じて、今後も感動的な出会いを積み重ねてゆくことができれば、これ以上の幸せはありません。

坂田:中尾さん、楽しいお話、どうもありがとうございました!

 
    フランス・グルノーブル在住の中尾さんとはメールでやりとりをさせていただきましたが、ちょうどサッカーの取材のお仕事と重なって、遠征地へ飛び回る毎日だったご様子。移動中の列車の中やホテルの部屋で翻訳、そしてこのインタビューにも答えていただきました。中尾さん、ありがとうございました! フランスから、すてきな書籍を今後も紹介し続けてください。期待しています!
 
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