【アメリア】Flavor of the Month 43 尾原美保さん
読み物
Flavor of the Month
<第43回>  全4ページ


尾原美保さん

第43回
子育てと両立させながら翻訳はもちろん 企画や編集もできるビジュアルブックのスペシャリストを目指します
  尾原美保さん
Miho Ohara

翻訳者かライターか、在宅で仕事ができるプロフェッショナルに

坂田:今月のゲストは、美しい写真で綴るビジュアルブックに魅せられて、この分野のスペシャリストを目指していらっしゃる尾原美保さんです。尾原さんは翻訳だけではなく、企画・編集・執筆など幅広く仕事をしていらっしゃるんですよね。今日はどうぞよろしくお願いします。

尾原:よろしくお願いします。幅広くといっても、まだ駆け出しなんですよ。ようやく今年の頭から本腰を入れて取り組み始めて、半年少々経過したという段階です。

坂田:そうですか。では、これまでの取り組みと成果、今後の目標を聞かせてください。そもそも、いつ頃からビジュアルブックに興味を持つようになったのですか?

尾原:ビジュアルブックは学生時代から好きでした。私にとってビジュアルブックは“読む”ものではなく“見る”ものでした。だから英語が多少わからなくてもかまわないんです。美しい洋書としてページをめくるのが好きでした。

坂田:学生時代に好きになって、いつかはこれを翻訳したいと思ったわけですか?

尾原:いいえ、翻訳しようとはまったく思いませんでした。あの頃はただ眺めているのが好きだっただけで……。

坂田:どんなテーマの本が好きだったのですか?

尾原:建築、料理、デザインなど、なんでもです。強いて言えばインテリア系が一番好きだったかな。絵画鑑賞が好きだったので、そうした趣味の一環でした。

坂田:それを翻訳をしようと思うようになったのは?

尾原:そもそも翻訳を勉強しようと思ったのはビジュアルブックとは別の話なんです。学生時代には特にやりたいことが見つからず、卒業後はごくふつうにメーカーに就職しました。仕事をするうちにだんだんと自分のやりたいことが見えてきて、そのキーワードが「出版」と「英語」だったんです。そこで、その両方ができる会社に転職しようと思い探したところ、ドイツに本社がある学術系出版社に入ることができました。そこでは専門性の高い学会誌の編集をしていました。

坂田:翻訳を始める前に、編集のお仕事をなさっていたのですね。

尾原:はい。編集者というのはプロのライターや翻訳者の原稿をまとめるコーディネーター的な仕事です。編集の仕事に慣れてくると今度は、そのプロの側になりたいと思うようになりました。つまり、ライターか翻訳者のどちらかになりたいと思ったんです。その頃、ちょうど結婚したこともあり、そのうち子どももできるだろうし、在宅フリーで仕事ができたらいいな、という思いもありました。

坂田:ライターか翻訳者を目指すために、どうしましたか?

尾原:翻訳の学校に通うことにしました。ただ、私は編集の経験があり、また映画よりも本が好きだったのに、なぜか通ったのは映像の学校でした。

坂田:それはまた、どうしてですか?

尾原:ちょうどCS放送やウェブTVなどが出てきた頃で、仕事の需要がありそうだという話を聞いたのが理由のひとつです。それともうひとつの理由は、その翻訳学校が日本語教育に力を入れているとうたっていて、日本語を書く授業があったからです。ここで学べばライターと翻訳者の両方の勉強ができると思って選びました。

坂田:では、翻訳の仕事は映像分野から始めたのですか?

尾原:いいえ、そうはうまくいきませんでした。まず、映像翻訳のクラスが半年で終わり、そこで学校に通うのはやめてしまいました。ちょうどその頃、会社も辞めてしまって、派遣会社に登録して週3〜4日の派遣の仕事を始めました。翻訳のほうは、インターネット上のオーディションサイトに登録してチャレンジを続けていました。

坂田:オーディションには合格しましたか?

尾原:いいえ。ただ、翻訳者として合格はしなかったのですが、リーディングの求人などにも応募し続けていたところ、あるフリーの編集者さんと知り合いになる機会があり、その方から声を掛けていただいて実用書の下訳をいただくことができたんです。派遣の仕事と並行して下訳やリーディングの仕事をするようになりました。

坂田:映像分野ではなく、好きな出版分野で翻訳のお仕事を始められたわけですね。

尾原:そうです。そうして、ようやく翻訳に関する仕事がいただけるようになってしばらくしたころ、新聞の求人で外資系アート出版社が翻訳者を募集しているのを見つけました。

坂田:ここでビジュアルブックの登場ですね!

尾原:はい。それは、昔よく見ていたビジュアルブックを出している出版社の日本支社でした。「あぁ、大好きだったビジュアルブックの翻訳。そうだ、こういう仕事があるんだ!」と目から鱗が落ちる思いでした。もちろん、さっそく求人に応募しました。

坂田:結果はいかがでしたか?

尾原:幸いトライアルに合格して、念願のビジュアルブックの翻訳を始めることができました。本当に嬉しかったです!

坂田:よかったですね。その後はビジュアルブックの翻訳に的を絞って仕事をしているのですか?

尾原:そうですね。特に出版翻訳の場合、ひとつ実績ができるとそれは大きな信用になりますから、アメリアで募集のあるビジュアルブック翻訳にはすべて応募して、いくつかは合格になりましたし、“会員プロフィール検索”経由でオファーをいただいたこともあります。ほかにもビジュアルブックを出している出版社に直接メールを出して仕事をいただいたこともあります。

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