<第77回> 1|2|3|4|5 全5ページ
岡田 :今回のゲストは日英翻訳のプロフェッショナル、大里隆幸さんです。日英翻訳のハードルは高いイメージがある中、大里さんは実務・技術・工業系がご専門で活躍中。詳しいお話を聞くのが楽しみです。大里さんは翻訳のお仕事を始められてどれほどたちますか?
大里
:17年ほどたちますね。もともと電子楽器メーカーにエンジニアとして勤めていましたが、転向して翻訳の道に進みました。
岡田
:なるほど、それなら技術系翻訳の基礎となる知識は確固たるものがありますね。技術・工業系の中でも主にどんなジャンルのお仕事が多いですか?
大里
:電気・電子の分野、特に通信、映像、オーディオ、電力関連の分野で、お客様の製品の取扱説明書、カタログ、技術仕様書の英訳が主だった仕事です。翻訳会社として法人化しているので、企業のライセンスなど専門外の分野は提携している翻訳者さんにお願いすることもあります。
岡田
:大里さんは浜松に在住とお聞きしましたが、やはり楽器や電気系の工場が集中しているからでしょうか? 浜松周辺の会社からの依頼が多いですか?
大里
:アメリカの大学卒業後、最初に勤めた楽器メーカーが浜松だったこともあり、今も浜松に住んでいます。でも仕事の依頼が一番多いのは東京、横浜ですね。翻訳の仕事をはじめた時からのお得意様には、今でもずっとお付き合いいただいています。
岡田
:長きに渡ってお得意様とのお付き合いがあるというのは、確実な技術と信頼関係があってこそですね。メールでやりとりの時代ですから、距離は問題になりませんし。
大里
:そうですね。でもこうしてたまに東京に来ると、いろいろ刺激になります。いろんな仕事のチャンスもあるのかな、なんて考えたりしますね。とはいえ人口密度とか交通量の多さ、空気やパーソナルエリアの狭さを考えたりすると、自分にとってはストレスになるかなとも思います。
岡田
:アメリカにお住まいだったことを考えたら、都心部はなおさら窮屈かもしれませんね。アメリカで何年ほど暮らされたんですか?
大里
:小学校3年生から大学卒業までです。ですから学生時代の教育はほとんどアメリカで受けました。
岡田
:それなら英語力は確実ですね! 工業系のご専門は大学で?
大里
:はい、オーディオや電子楽器が好きだったので、電気電子工学を学びました。楽器メーカーにエンジニアとして勤めたいと思っていたんです。電子楽器を開発するエンジニアになれたら理想だなと思っていました。
岡田
:そして夢がかなって、エンジニアになられたんですね。
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