【アメリア】Flavor of the Month 85 崔 樹連さん
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Flavor of the Month
<第85回>  全5ページ

崔 樹連さん

第85回

韓流文化を支える映像翻訳者は絡み合う言語とアイデンティティーを体現する日韓バイリンガル! 崔 樹連さん

Sooryeon Choi

週に4本近くの映像翻訳を仕上げる忙殺の日々。韓流映像翻訳はスピードが勝負!

岡田 :本日のゲストは韓国語の映像翻訳者、崔 樹連(チェ・スリョン)さんです。代表作『グッド・ドクター』、『火の女神ジョンイ』、『サラリーマン楚漢志』、劇場公開作品『モンタージュ』、『隣人』など、なんと1,000本を超える作品を訳していらっしゃいます。作品数を拝見するだけで圧倒されてしまうお仕事量! お忙しそうですね。

:おかげさまで本格的に翻訳をはじめてから7年間、ずっと空白がなくお仕事をいただいています。時には4タイトルを同時進行することもあり、目まぐるしい毎日です。

岡田 :4つの作品を同時進行ですか!?

:はい、同時進行(笑)。韓ドラは進行がとても早く、ストーリーも長いんです。毎日放送するドラマもあります。昨年末までとりかかっていた作品は124話、その前の作品が160話もありました。日本でそれをDVD用に作製したんですが、週に2〜4本のペースで仕上げなければならないんです。韓ドラは30分番組でもきっちりと時間内で収まらず、30分番組のはずが35分や37分になることもしょっちゅう(笑)。60分番組が67分ほどになることもあります。セリフがとても多いので、30分番組の字幕の「(ハコ)」が600を超えて、1時間並みのものもあったりするんですよ。

岡田 :それは驚異的な仕事量になりますね。

:韓国語の映像翻訳者はみなさんそんな感じで、スピードが求められます。さすがに週に1時間ドラマを4本は無理なので2、3人で共訳することもよくありますね。1人で全タイトルを受け持つのは珍しいほうだと思います。週4本訳して体調を崩してしまい、点滴を打ちながら仕事……なんてこともありました。

岡田 :それはそれは過酷な状況で……。昨今の韓ドラ人気は破竹の勢いですから、人気の翻訳者さんにお仕事が多いのも無理はありませんね。ブームはやはり2003年頃の「冬のソナタ」からでしょうか。以来、韓ドラはBS放送でもかなりの割合を占めています。ブームというより、もはや安定した市場のようですね。

:最近どうでしょうか、少し陰りが出てきたような気もします。両国の関係にも左右されますし。いずれにしても韓国語の映像翻訳が厳しい世界であることに変わりはありません。英語よりも単価が安く、相当のスピードを求められます。私なんて半ばひきこもり状態で仕事をしていますよ(笑)。

岡田 :なるほど。労働条件としては厳しいんですね。でも確かにそれぐらいお仕事されなければ、ここまでの作品数は成し遂げられません。

:私はフリーランスなので、発注側にとっては週に1本の依頼でも、それを4社持てば週4本。それを終えて、また次、次、という感じの走りっぱなしの7年間です。

岡田 :映像翻訳の世界は確かにスピード勝負でお忙しいとは思いますが、さすがに週4本は忙殺の域ですね。それを成し遂げるパワーは相当です!

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