ウォール・ストリート・ジャーナルの金融経済記事の翻訳でご活躍の藤澤さん Flavor
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<第108回>  全5ページ
アメリカの金融番組を繰り返し見ることで得た専門知識。「自分にとって翻訳は天職だと思うようになりました」

岡田 :日本に帰国され、いよいよ翻訳の道を歩み始めた藤澤さんですが、金融や経済の知識はどのように深められたんですか?

藤澤 :以前から金融や経済の分野には興味があり、ミューチュアルファンドに投資したこともありました。ニューヨークに住んでいたころは、ケーブルテレビでよく金融番組を見ていたんです。あちらのケーブルテレビでは30分番組を2、3回繰り返し流すので、一度で聞き取れなかったことを2回目で聞きなおすことができる。繰り返し見ることで、自然とボキャブラリーや表現が身について、内容も理解できるようになったんだと思います。金融だけでなく、通常のニュース番組やESPN(スポーツ専門チャンネル)のニュース番組もよく見ましたね。

岡田 :なるほど、今はネットでいろいろな番組を見られるので、気軽に真似できそうです。帰国してからはどのように勉強を?

藤澤 :帰国してからは、日経新聞の国際欄、マーケット欄を読んで徐々に知識を深めていきました。『バロンズ』の翻訳を始めた頃、他の翻訳記事のチェックもやらせていただき、専門用語や表記について学ぶことができました。その後徐々に長めの記事、特集記事、トップ記事を任されるようになっていきました。

岡田 :本格的に翻訳の仕事を始めてみて、どう思われましたか?

藤澤 :自分にとって記事翻訳は天職だと思うようになりました。私はもともと英字新聞を読んだり、文章を書いたりするのが好きでした。それに基本的に出不精なので、在宅勤務が性に合っているんです。満員電車や人付き合いも苦手です。

岡田 :社交の華のような超一流ホテルにお勤めだった方とは思えないお言葉です(笑)。

藤澤 :ホテル時代に何千、何万という人に接して嫌というほど頭を下げてきたので、もうじゅうぶんという感じもありまして……(笑)。そうは言っても、講師業で生徒さん達と触れ合うことは良い気分転換になっています。

岡田 :翻訳の仕事は孤独になりがちですから、外界とのバランスは大切ですね。ところで藤澤さんは、ご自身の翻訳をどんな翻訳だと思われますか?

藤澤 :そうですねぇ、技術も知識もまだまだ足りないのですが、本数を重ねていくなかで着実に向上しているとは思っています。わからないことは徹底的に調べ、ある程度知っていることでも裏を取るようにしています。固有名詞の表記には英語の発音とかけ離れたものもありますが、過去の記事を参照して統一するように心がけています。

岡田 :藤澤さんはホテルマンというお仕事をされていたせいか、とても親切でエレガントなお人柄がうかがえます。きっと翻訳のクォリティーも細やかで完璧な仕上がりなんでしょうね。

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