映像翻訳、英語とヒンディーの翻訳でご活躍の福永詩乃さん Flavor
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福永 詩乃さん

第110回

字幕翻訳に短歌の粋を見いだす英語&ヒンディー語の映像・実務翻訳者。「子育て中だからといって夢をあきらめないで」 福永 詩乃さん

Shiho Fukunaga
最初は絵文字のように見えたヒンディー語。徐々に上達し、やがて文学作品中の空気や土埃を肌で感じるまでに

岡田 :今回のゲストは英語・ヒンディー語・日本語で映像と実務翻訳のお仕事をされている、福永詩乃さんです。字幕では劇場公開作品などを翻訳されているそうです。福永さん、今日はよろしくお願いいたします。福永さんは英語とヒンディー語の2つの外国語を翻訳されるんですね。

福永 :はい。比率としては圧倒的に英語がメインの仕事になっていますが、英語もヒンディー語も楽しみながらお仕事させていただいています。

岡田 :ヒンディー語はどこで習得されたんですか? 

福永 :大阪の外語大学で専攻し、基礎から学びました。それまでは何の知識もない状態で、もちろんインドにも行ったことがありませんでした。

岡田 :インド映画や文化は日本でもだいぶ親しまれるようになりましたが、ヒンディー語を学ぶ方はまだ少ないような気がします。あえて大学でヒンディー語を専攻された動機は何だったんですか?

福永 :確かに珍しいですよね。よく人からそう聞かれます(笑)。私は高校生の頃から国際関係の仕事に興味があって、大学も国際関係の学部に進もうと考えていたんです。そんな折に外語大のパンフレットを見ていたら、いろいろな言語の学部があることに気がついて……。ふっと、国際関係よりも外国語を学んだ方が面白いかもしれない、と思ったんです。国際関係って、広義で漠然とした印象がありましたが、特定地域の言語を学べばその地域の文化や政情をより深く知ることができるのではないかと思いました。ヒンディー語を選んだのは、フランス語やドイツ語など第二学国語としてメジャーなものでなく、外語大でしか学べない言語にしたかったら。トルコ語やペルシャ語も気になりましたが、インドは多文化国家ですから、異文化の衝突や紛争などを知ることで国際関係の勉強もできるだろうと思ったんです。

岡田 :ものごとをじっくり考える高校生だったんですね。いざ大学に入学して初めて学ぶヒンディー語はどうでしたか? ヒンディー語の文字ってとても複雑そうなイメージが……。

福永 :私も最初に見た時は「絵文字?」と思うほど、まったく文字には見えませんでした(笑)。でもそのうちにだんだんと字として認識できるようになり、やがて意味を持つ言葉に見えてきて、気づくと「わぁ、読んでる! 読んでる!」って(笑)。ボキャブラリーが増えて景色や登場人物の気持ちもわかるようになると、作品の世界の空気や土埃を肌で感じたような鮮烈な経験をすることがありました。その時の感動は今でも覚えています。私は昔から文学が好きだったので、インドの現代文学を学ぶ講読の授業が楽しくて楽しくて……。毎日の予習は量も多くて大変でしたが、文学を通じて世界が開けることが何より楽しかったですね。

岡田 :わぁ、土埃まで感じたなんて、本当に感動的な体験でしたね。学習意欲も自然と向上したことと思います。今日はいろいろなお話をお聞きするのが楽しみです!

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