【アメリア】Flavor of the Month 23 古畑 正孝さん
読み物
Flavor of the Month
<第23回>  全5ページ


第23回
定年後は好きな英語を活かして翻訳の仕事を始めたい!長期計画で取り組みました
  古畑 正孝さん
masataka furuhata


いずれは翻訳者に・・・・・・40歳を過ぎて翻訳の勉強を始めました


坂田:みなさん、こんにちは! 先日、Flavor of the Monthコーナー宛てに、アメリア会員のももんがさんからリクエストをいただきました。
 「いつもFlavor of the Monthを楽しく読ませていただいています! 実は私、昨年の『翻訳トライアスロン2003』で見事トライアスリート賞に輝いたステキなおじさまに興味津々です(全国の多くの会員さんもそう思っているはず!)。ぜひ直撃インタビューしてくださ〜い!」わかりました! それでは、さっそくトライアスリート賞第1位の栄冠に輝いた古畑正孝さんにご登場いただきましょう。古畑さん、よろしくお願いします。

古畑:ご推薦を受けるなんて光栄です。ご期待に添えるかどうかわかりませんが、よろしくお願いします。

坂田:『翻訳トライアスロン2003』については後ほど伺うとして、まずは古畑さんの翻訳歴を教えてください。

古畑:はい。私は昔から英語が好きでね、よく『ニューズウィーク』を読んだりしていました。翻訳を勉強しようと思いついたのは、40歳も半ばになってからです。定年後のことを考えるようになって、英語に関する仕事として将来的には翻訳をやりたいなと思うようになったのです。それで、翻訳学校に通い始めたのが今から14年前のことです。

坂田:定年後を見据えての長期計画ですね。翻訳学校では、どのようなクラスを受講されたのですか?

古畑:最初に通った学校では、出版翻訳のクラスを受講しました。ミステリや冒険もののフィクションを訳していらっしゃる先生のクラスです。結局、同じ先生に4年間教わりました。

坂田:出版フィクションの分野がお好きだったのですか?

古畑:というわけでもないんですよ。たまたま、通える曜日や時間を考えるとそのクラスがちょうどよかったもので。私の好みからいうと、文芸ものよりは、ノンフィクションが好きなんですが、文芸の中でもミステリなら少しはノンフィクションに近いからいいかなと。その程度の決め方でした。

坂田:翻訳の勉強は長期計画ですから、とりあえず通えるクラスから勉強をスタートさせようというわけですね。

古畑:そのクラスの先生はコンスタントに訳書を出されている方で、クラスの生徒であれば希望すれば下訳をやらせてくれたんです。全部ではなく分担でしたが、結局4年間で10冊ほどの下訳をやらせていただきました。

坂田:10冊も下訳を経験できたのは、貴重な体験ですね。

古畑:でも、やりたいと言いさえすれば、誰でもやらせてもらえたんですよ(笑)。もちろん、出来が悪いと愚痴を言われましたが。

坂田:10冊もやっていると、自分でも上達したと感じることができたのではないですか?

古畑:それはよくわからなかったですね。逆に、ほとんど翻訳のことを知らずに学校に通い始めた最初の頃に訳したものが、先生にほとんど手を入れられることなく、パラパラと直されただけで本になった時には、こんなものでいいのかなと思ったくらいです。でも、やっているうちにだんだん赤が多くなってきましたけどね(笑)。

坂田:4年間、フィクションのクラスを受講した後は、どうしたのですか?

古畑:住まいが横浜なので東京まで通うのが辛くなり、今度は横浜にある翻訳学校に通い始めました。こちらも出版翻訳というクラスだったのですが、内容はかなり違っていて、新聞の短い記事を訳したり、小説の一部を訳したり、先生も常に同じではなく、数名が交代で教えるというスタイルでした。こちらの学校には3年間通ったのですが、最後の1年は仕事の都合で出版翻訳のクラスに通えなくなり、映像翻訳のクラスを受講したんです。

坂田:映像翻訳というのは、出版とはまったく違いますよね。

古畑:そうですね。ある意味、かなり乱暴なところがなきゃいけないというか……。字幕には字数など数多くの制約がありますから、英語のセリフに忠実に、なんて思っていると、かえってわけがわからなくなってしまいます。私が発想の転換の必要性を思い知ったのは、映像のお仕事をやらせていただいた時でした。出版と映像に関しては、先生から下訳的な仕事を少しずついただくようになっていたのですが、その仕事のひとつで、プロレスの試合の解説に字幕をつけたことがあったんです。30分番組で、スクリプトもあったのですが、ものすごく早口なので、画面とスクリプトを照らし合わせても、どの場面でしゃべっているのかさっぱりわからない。内容を訳しても、情報量が多すぎて字幕に入りきらない。それに話の内容が突然、試合とは全然関係ないことになったりして……。それでも、日本語字幕で見る方には、ある程度、意味がわかるよう内容にしなければいけなかったので、思い切ってカットするのはもちろん、場合によってはストーリーがつながるように字幕を作ってしまったりして。この仕事で、度胸がつきましたね(笑)。もちろん、最後は先生がチェックをして、直してくれましたが。

坂田:映像翻訳ならではの体験という感じですか?

古畑:でもね、その発想の転換というのは、実は映像だけではなくノンフィクションの翻訳にも役立つことがあるんですよ。映像翻訳のクラスを受講したことで、思い切った発想の転換をするいい訓練になりました。
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